「DIGITAL Foresight」
ローコード
脱レガシーから人材育成、内製化まで
ローコードを軸にDX推進を幅広く支援
重くのしかかるレガシー資産の負担、慢性的なデジタル人材不足――。デジタルトランスフォーメーション(DX)を阻む課題解決策としてローコードを導入する企業が増える一方、十分な成果を上げられないケースも散見される。FPTソフトウェアは顧客企業と正面から向き合い、成果の達成までトータルにサポートする。成功事例だけでなく、失敗プロジェクトを含む自社事例を基にローコード活用の課題を明らかにし、成功のキーファクターを示唆する。
豊富なリソースとノウハウで
ローコードのメリットを最大化
IT人材は2019年をピークに減少傾向にあり、2030年には約59万人のIT人材が不足するという。しかし、IT予算の大半をレガシー資産の運用管理に割り当てる状況では、人的リソースやコストを捻出することが難しい。この“負のスパイラル”を脱する有効な手法として期待されているのが、ローコード技術だ。
このローコード活用を支援する有力なパートナーの1つが、FPTソフトウェアである。同社はベトナム最大手のIT企業として、26カ国にわたって6.32億米ドルの収益、2万2000人の従業員を擁すグローバルなテクノロジーおよびITサービスプロバイダである。
FPTソフトウェアは、多様なローコードサービスを提供している(図1)。業界を代表する多くのローコードプラットフォームベンダーと強力なパートナーシップを締結。さらに、1200人超のローコード開発エンジニアを擁している点も重要なポイントだ。こうした有形無形のアセットをベースに、レガシーシステムの移行、バックエンド・基幹システムなどの大規模開発、SAPやSalesforceとのシステム統合、Webアプリやモバイルアプリ開発などを支援しているという。
コンサルティング・サービス・グループ
ディレクター
田畑 昌生氏
「開発・サポートにはベトナム、日本、アメリカ、台湾など世界26拠点に展開するFPTソフトウェアのグローバルリソースを活用します。オフショア・ニアショアを柔軟に組み合わせた体制で、競争力の高いコストパフォーマンスを実現できるのも大きな強みです」とFPTコンサルティングジャパンの田畑 昌生氏は強調する。
開発・支援体制の拡充にも継続的に取り組んでいる。「ローコード開発エンジニアは2024年までにグローバルで4000人超の体制を目指します。その中でスクラムマスターも500人超まで拡大する計画です」と田畑氏は続ける。
ニーズに合わせた開発体制を推進
「お客様イズム」の醸成で内製を加速
FPTソフトウェアはツールの提供にとどまらず、内製化を含む顧客のゴールの実現までサポートする。実際、多くの企業が同社のローコードサービスを活用し、DXの推進を加速させている。
ある建設会社は建設現場の深刻な人手不足を補うため、施工現場の業務プロセス改革を目指した(図2)。この実現に向け、開発は2段階で進めた。ユーザーニーズを早期抽出し、開発生産性を高めるためだ。
フェーズ1は仮説を基に要件を定義し、最小限の機能実装で評価検証を繰り返すアジャイル開発を推進。フェーズ2では要件を再整理し、標準テンプレートやオフショアリソースを活用して本開発を行った。「これにより、短期間かつ最適なコストで施工現場の業務プロセス改革を実現。システムの高い保守性を確保し、お客様の内製化も可能になりました」と田畑氏は話す。
システム開発文化を変革する大規模プロジェクトもサポート可能だ。この実現を目指す大手通信事業者のニーズに対し、同社は大規模スクラム開発ラボの構築を段階的に支援した。
まず10人の精鋭を集め、顧客の東京オフィス内に開発センターを設立し、開発プロセス・ノウハウの習得とユーザー本位の開発を進める「お客様イズム」の醸成を図った。次に初期メンバーのノウハウと「お客様イズム」を沖縄開発センターに横展開し、ニアショア体制を構築した。さらにWeb会議システムを使ってこの体制を海外に拡大し、グローバルなスクラムデジタルラボを確立した。
「オン・ニア・オフショアを柔軟に組み合わせ、必要な時に必要なリソースをアサインするオンデマンド型の開発体制を実現しています」と田畑氏は説明する。平均45人が開発に従事し、ピーク時には14チーム/80人体制で開発を進めたという。「現場の多様なニーズに対応したアプリ・サービス開発が可能になり、開発スピードが向上し、コストも最適化できた。内製化により、開発のスキル・ノウハウの継続的な向上も見込めると期待が高まっています」と田畑氏は続ける。
失敗事例も包み隠さず公開
軌道修正を提案し成功を享受
多くの成功事例を生み出すまでには、失敗プロジェクトも経験した。失敗から学ぶことで成功につながったプロジェクトもある。製造業の顧客事例はその1つだ。
Lotus Notesで構築した社内システムのデータベースは5000超もあり、その多くがブラックボックス化していた。レガシー技術者は高齢化し、技術の継承も難しい。デジタル化の流れを背景に、システムのマルチデバイス対応ニーズも高まっていた。
マイグレーションのためにOutSystemsを採用したが、プロジェクトは行き詰まった。既存システムの細部の操作性まで完全再現することを求めたためだ。「膨大な追加開発とテストが必要になり、開発生産性と品質が低下し、開発コストも膨らんでしまったのです」と田畑氏は振り返る。
そこで方針を転換。操作性の完全再現ではなく。業務の目的を達成するためのシステムを再設計した。「テンプレートをはじめとする標準機能を最大限活用することで、現在は開発生産性と品質の改善効果も出ており、開発コストも徐々に削減してきています」と田畑氏は述べる。
ローコード開発は大きなメリットをもたらすが、最終的に目指すべきは開発の内製化である。「これはベンダー丸投げでは実現できない。当社はお客様との二人三脚の取り組みで、導入のコンサルティングから開発、さらにデジタル人材の育成や内製の方法論、お客様イズムの醸成まで幅広くサポートします」と田畑氏は話す。
今後もFPTソフトウェアはローコードの価値を最大限に高めるサービスポートフォリオを強みに、システムの近代化とその先にあるDXの実現を強力に支援していく考えだ。
DXアクセラレート2024、
デジタル活用の勘所

