日経 xTECH Special
DXアクセラレート2021、デジタル活用の勘所 DXアクセラレート2021、デジタル活用の勘所

「DX Insight」SAP

独自の方法論によるDXプロジェクト支援
SAPマイグレーションでも威力を発揮

多くのSAPユーザーが現行のSAP ERP(ECC6.0)からSAP S/4HANAへのマイグレーションを検討している。移行プロジェクトにおいて注意が必要なのが、長期間に及びコストが膨らんでいくという問題だ。本来、企業が重視すべきはSAPマイグレーションの先のDXプロジェクト。ここで足踏みをしているわけにはいかないからだ。そこでFPTは、この問題を解消するためのサービス「FPT SAP S/4HANA Migration Service」の提供を開始した。同社独自のメソドロジーなども含めて、このサービスの特徴を紹介する。

※経営課題解決シンポジウムPREMIUM「DX Insight」での講演内容を基に記事を構成

コロナ禍でも
欠かせない
3つの取り組み

遠藤 章浩氏
FPTコンサルティングジャパン株式会社
コンサルティング・サービス・グループ
マネージングディレクター
遠藤 章浩氏

 コロナ禍が、あらゆる企業に多大なインパクトをもたらしている。しかし、この状況下でも手をこまねいているわけにはいかない。不必要な投資は控えるとしても、自社を守るため、競合他社に負けないために成すべきことがある。

 取り組みの中心は次の3つである。まず「コスト最適化」。売上縮小などがあればなおさら、現状のコスト構造を変えなければならない。次に「BCP/ニューノーマル」。リモートワークなどに働き方をシフトし、事業継続性を高めるのだ。そして「DX」である。IoT、アナリティクス、クラウドなど、デジタルを活用してビジネスを変革したり、新しいビジネスモデルを創出したりすることは、現在の企業の至上命題だ。

 この取り組みのうち、特にコスト最適化とDXの領域におけるソリューション展開で多くの企業を支援しているのがFPTだ。

 「FPTは30年以上前にベトナムで生まれたIT企業です。現在はアメリカやヨーロッパにも拠点を持つグローバル企業に成長しています。約20年前から日本でもビジネスを展開しています」とFPTコンサルティングジャパンの遠藤 章浩氏は話す。

DXを支える
メソドロジー
「Digital Kaizen」

 まずコスト最適化について、FPTは優れた人材育成を通じて多くの技術者を有しており、日本をはじめ世界各国の企業のオフショア、ニアショアに対応している。「もちろん、単にエンジニアリソースを提供するだけがFPTのミッションではありません。最上流のコンサルティングから開発までエンド・ツー・エンドの体制を有していることがFPTの強みであり、ITシステムの開発ライフサイクル全体をサポートします」と遠藤氏は強調する。

 次にDXに向けた支援策において、FPTが広く採用しているのが「Digital Kaizen」と呼ばれる独自のメソドロジーだ。もともと日本企業が得意としてきた「カイゼン」に触発されて生まれ、発展してきた経緯を持つ。

 例えば、Digital Kaizenは、デジタル変革プロジェクトにおいて失敗を引き起こしやすい問題に着目し、その問題を発生させないことをメソドロジーに取り込んでいる。

 一例が「テーマが大きすぎる」ことによるプロジェクトの破綻だ。一般的にDXは対象範囲が大きくなりやすい傾向がある。そこでDigital Kaizenは、ちょっと大きく考えることを提案する。「3年計画を立てて実現を目指します。その目標がビジネスや市場の状況とうまく整合するように、毎年見直しと修正を行います」と遠藤氏は話す。

 また「断片化」の問題もある。部門間の連携がない、あるいは少ない環境でのDXは、うまくいっても後にプロセスを統合するために新たなオーバーヘッドが発生しやすくなる。そこで、Digital Kaizenはクロスファンクショナルチームでワークショップを行い、すべてのチームに利益をもたらす可能性のあるイニシアチブのリストを特定。展開した際の影響度や受容性、技術的な実現可能性なども加味して、イニシアチブを評価するなどしながら、複数の部門を連携させた全社視点でのDXを目指す。

 このよう方法論に加えて、デジタル変革プロジェクトが陳腐化してしまわないよう、複数のフレームワークやツール、プラットフォームを積極的に活用して、変革のスピーディーな拡大を図るといった工夫も行う。ツール群の中には「akaminds(アカマインズ)」という独自開発のAIによる統合分析プラットフォームや、製造プロセスの準リアルタイム監視やトレーサビリティーをサポートする「akaMES(アカメス)」といったプラットフォームなどがあり、幅広い企業を支援できる体制を整えている。

 「FPTのDigital Kaizenは、DX戦略立案およびそのロードマップに基づいたITX(ITトランスフォーメーション)とPX(ピープルトランスフォーメーション)を2軸で展開することで、お客様のDX実現を支えていきます」と遠藤氏は訴求する。

図:Digital Kaizenの概要
Digital Kaizenの概要Digital Kaizenは、DX戦略立案とロードマップに基づきDXを実現していく。そこで重要となるのが、最新ITを活用するITX(ITトランスフォーメーション)とデジタル人材を活用するPX(ピープルトランスフォーメーション)だ。さらに、DXガレージをはじめとするDXジャーニーポートフォリオを活用することにより、顧客にビジネス価値を提供する

時間とコストに
関する課題を解消
SAP S/4HANA
Migration Service

 このDigital Kaizenのメソドロジーを採用して、FPTは様々なソリューションを提供しているが、その1つがSAPユーザーを対象とした「FPT SAP S/4HANA Migration Service」である。

 現在、日本においてSAP ERP(ECC6.0)からSAP S/4HANAへのマイグレーションを検討しているユーザーは2000社にも及ぶといわれているが、そのサポート期限である2027年末までにすべてのユーザーがマイグレーションを完了するのは、ベンダー総がかりでも困難を極めることが予想される。

 そこでFPTが、まず時間とコストに関する課題を解消するサービスとしてローンチしたのが、このFPT SAP S/4HANA Migration Serviceというわけだ。

 「移行アセスメントから本番稼働までを1つのパッケージにし、6カ月間のプロジェクトスケジュールで、8900万円というフィックスプライスでサービスをご提供させていただきます。マイグレーション方式としてはBrownfieldアプローチを採用。システムバージョンアップに近い考え方をとることで、現行のECC6.0を短期間でSAP S/4HANAへマイグレーションすることを目指します。なお、プロジェクトサイトは東京とベトナムのオフショア拠点を活用し、原則オールリモートで対応します」と遠藤氏は説明する。

 このようにして、同社は最低限の時間とコストでSAP S/4HANAへのマイグレーションを実現。本来、企業が目を向けるべきDXプロジェクトのためのリソースを確保し、実現に向けた歩を進めてほしいと考えているのである。「Digital Kaizenのフレームワークを活用し、その先にあるDXを見据えたSAPマイグレーション支援でFPTはお客様のビジネスを支援します」と遠藤氏は語る。

 前述したとおりFPTはベトナムや日本をはじめ、スロバキア、タイ、アメリカ、ドイツへとグローバルな拠点を拡大するとともに、SAPやDX、AMS/BPO、クラウド、アナリティクス/AIなど、多彩な領域のサービスとソリューションを現在も拡充し続けている。また、コンサルティング、戦略構想から要件定義、設計、開発、テスト、保守運用まで、プロジェクトの上流から下流まで包括的な支援も可能だ。パートナー選びはDXの重要な要素ともいわれるが、FPTは有力な選択肢となるはずだ。

図:FPT SAP S/4HANA Migration Serviceの実行ステップ
FPT SAP S/4HANA Migration Serviceの実行ステップFPT SAP S/4HANA Migration Serviceでは、喫緊の課題であるSAP S/4HANAへのマイグレーションをまず行い、その後に時間をかけて本来の目指す姿であるDXを実現していくというステップを提案している

DXアクセラレート2021、
デジタル活用の勘所

ページトップへ