




的確な意思決定を迅速に行うため、データを多角的に読み解く─。この行為は、もはやビジネス現場の常識となっている。
しかし、ここで立ち返ってみるべきは、「本当に価値のあるデータを読み解くことができているのか」という点である。例えば、企業が保有するデータの9割はビジネス文書やPDF、画像、動画などの「非構造化データ」といわれる。一方、一般的なデータ活用で主に扱われるのは、整形されてシステム内に蓄積された「構造化データ」だ。
「非構造化データは、そのままでは集計・解析することが難しいため、これまであまり扱われてきませんでした。しかし、真に経営判断に役立つのは業務の前後関係や関わるルール、担当者の意図などの『コンテキスト』であり、それは非構造化データの中にこそ多く含まれています」とBox Japanの佐藤 範之氏は語る。
生成AIの登場によって、非構造化データの中身を容易に把握できるようになった。さらにAIエージェントなら、構造化/非構造化データを網羅的に扱いながら、複数の業務タスクを自動化できる。そのための環境を構築できるか否かが、企業の競争力を左右する時代が到来している。
国内2万3000社超の企業が利用する企業向けファイル管理サービス「Box」。そこに保管されているデータの大部分が非構造化データだという。組み込まれたAI機能「Box AI」を使うことで、それらのデータを高度に活用できる。
業務ごとのAIエージェントも簡単に作成可能だ。例えばよくある設備点検報告書を作成するような業務でAIエージェントを用意すれば、現場写真をアップロードするだけで報告書を自動で生成してくれる。不具合のある設備をリストアップすることもできる。
「もはやAIは単なるツールではなく、“新たな労働力”といえます。今後は、この労働力を『どの業務に』『どれだけの責任範囲で』『どう実装するか』を考えることが経営戦略上、とても重要になるでしょう」と佐藤氏は言う。
AIが十分に能力を発揮できる「AI-Ready」な状態をつくるためには、いくつかのポイントがあるという。
まず大事なのは、AIに勝手に判断させず、必要な情報だけを与えることだ。AI自身に非構造化データからメタデータ(属性情報)を抽出させることも必要になる。これにより、AIが業務のコンテキストを理解できるようになるからだ。
「そして、実際の業務を遂行するためにはAIエージェント向けのワークフローを構築することが欠かせません。AIにすべてを任せるのではなく、人が介在しながら協働することが価値創出のカギを握ります」と佐藤氏は説明する。
加えてもう1つ、AIのビジネス利用で欠かせないのが安全性を確保する視点である。これに関してBoxは、AIエージェントの安全な運用を支える機能として「3つのG」を備えている。
具体的には、AIへの不正な指示・入力を防ぐ「ガードレール(Guardrails)」、誰の指示でどの情報を参照したかなどを監査可能にする「ガバナンス(Governance)」、企業のポリシーに沿って情報へのアクセスを制御する「アクセスガイド(Guided Access)」だ。
「非構造化データを中心とした膨大なコンテンツとコンテキストを整え、それらを柔軟に活用できるようにすることがAI-Readyな企業への第一歩です。Boxは、『人と組織の働き方の変革を促進する』というコーポレートミッションの下、AI前提で業務を再設計するためのお客様の挑戦を全力で支援します」(佐藤氏)。AI時代の競争力強化に向けて、Boxの提案は重要な示唆を含んでいる。