




2026年7月1日、TISとインテックが合併し、TISIが誕生した。AIによって経営環境が大きく変わるなか、両社の知見や人材を結集し、これまで以上に大きな社会課題に挑戦していく。TISIを中核とするTISインテックグループは、「総合ITサービス企業」として各社の個性を生かした多様なビジネスをグローバルに展開する。
「各社の強みを一層磨き上げ、さらなる企業価値の向上を目指していきます」とTISIの岡本 安史氏は語る。
そのための取り組みの1つが、AIをシステム開発の中心に置き、人とAIが最も力を発揮できる形へ開発工程そのものを見直していくAI駆動開発である。
生成AIはシステム開発の生産性を高める。そこで生まれた人のリソースを、より付加価値の高い提案や業務変革の支援に振り向けられるようにする。「AIがもたらした変化を成長の機会と捉えて、お客様の課題を解決するAI戦略を加速していきます」(岡本氏)
AI駆動開発を推進し、保守開発、品質管理からプロジェクト管理まであらゆる開発工程にAIを活用することで、より速く、より高品質なシステムの開発や運用・保守を実現する。
その上で、同社が重点戦略に位置付けるのが「Vertical AI」だ。業界固有の業務プロセスに即した業界特化型のエージェント型AIを提供していく。
「エージェント型AIが価値を発揮するためには、業務データや基幹系領域との連携が不可欠です。その点、当社はカード業界をはじめ製造・流通、行政、エネルギー、銀行、保険など幅広い業界で培ってきた業務知見を有しています。これとAIのノウハウを融合することで、エージェント型AIの活用を強力に支援することが可能です」(岡本氏)
Vertical AIのユースケースも既に登場している。一例が、カード・決済領域でのAI活用である。同社のデジタル決済ソリューション「PAYCI ERGE(ペイシェルジュ)」にAIとプロフェッショナルサービスを掛け合わせることで、ステーブルコインなどの次世代決済プラットフォームへ進化させる取り組みを2026年7月から開始した。
「決済領域に特化したVertical AIと、長年培ってきた決済業務の専門人材の知見を掛け合わせることで、発行・与信・不正検知・加盟店管理・請求・回収などの業務の高度化・効率化を目指します」と岡本氏は話す。
現在進行中のフェーズ1では業務の高度化・効率化を推進するとともに、サイバー攻撃や不正利用への高度な対策を実施。フェーズ2では、業務ごとに最適化されたエージェント型AIを相互に連携しながら、決済事業者の業務プロセス全体の自動化・最適化を実現していく。
「そしてフェーズ3では、様々な次世代の決済技術を取り込みながら、AIが取引や決済の主体となる自律型経済に対応できるプラットフォームの構築を目指していきます」と岡本氏は展望を語る。
Vertical AIをはじめとする多面的なAIサービスによって、企業・組織のAI活用を強力に後押しするTISI。それにより同社が目指すのは、「AIが当たり前に活用される世界」である。
「進化するAIは、私たちSIerにシステム開発の新たなチャンスをもたらしてくれています。人手やコストを削るためのものとしてではなく、新たな成長を実現するためのものとしてAIを活用することで、お客様や社会の課題解決に貢献していきます」と岡本氏は言う。
現在は多くの企業が、自社の業務プロセスに即した活動ができるエージェント型AIを求めている。人の知見とAIの技術、多様な業界の業務ノウハウを兼ね備えたTISIは、取り組みを進める企業にとって有力な伴走パートナーになるだろう。