




ここ数年、AIへの投資が急速に拡大し、利用シーンも広がっている。しかし、そうした投資とビジネス成果の間には大きなギャップがある。Everpureが調査会社と共同で実施した調査によると、AIの取り組みの約95%が損益に測定可能な効果を生み出せていない。
その理由として最も多く挙げられたのが「データの準備不足」である。モデル性能やGPU、インフラの課題を大きく上回り、82%をマークした。そもそも、AIに与えるデータが「使える状態」になっていないのだ。
原因は、企業のデータがアプリケーションごとに分断されていることにある。「データを横断的に活用しにくくなり、全体の把握や統制も難しい」とEverpureの中川いち朗氏は指摘する。
データの意味も一貫性を保てない。例えば、同じ「顧客」や「売上」といったデータでも、部門やシステムによって定義が異なることがある。「AIはその違いを自動的に理解するわけではありません。意味が揃わなければ、確認や変換に時間とコストがかかり、AIの精度や信頼性に影響します」と中川氏は続ける。
データ準備不足の解消には「アプリケーション中心」から「データ中心」へアーキテクチャを転換する必要がある。「どのデータがどこにあり、何を意味し、どう関係しているのかを理解し、一貫して管理・統制できるデータ基盤が不可欠です。データを『見つける』『理解する』『使える形にする』という一連の流れを分断せずにつなぐことが、AI時代のデータ基盤の基本要件です」(中川氏)
Everpureはこの実現を強力に支援している。同社は2026年2月に、Pure StorageからEverpureに社名を変更したが、これは単なる社名変更ではない。「ストレージを提供するハードウエアベンダーから、AI時代のビジネスを支える戦略的プラットフォームパートナーになる。その変革に向けた強い決意を込めています」と中川氏は語る。
データ準備から学習・推論といったAI実行まで一気通貫で自動化し、“データを生かし切る”一体運用を実現するという。
ソリューションの1つである「Everpure Data Intelligence」はあらゆる環境のデータを自動的に洗い出し、データ同士の関係性を捉え、ビジネス上の文脈で理解できるようにする。「断片的だったデータが、立体的に理解できる情報へと変わります」と中川氏は言う。
意味付けされたデータをAIが使える形へ変換する役割を担うのが「Everpure Data Stream」だ。「2つの製品の連携によって、AI-ReadyなデータをAIアプリケーションやモデルへ継続的かつ自動的に供給し続けます」と中川氏は述べる。
高い拡張性と柔軟性もEverpureの特徴だ。独自のアーキテクチャにより、ハードウエア基盤はサービスを止めずに拡張できる。また、「Evergreen//One for AI」は、機器そのものはお客様サイトに設置し、主権(またはセキュリティー)を確保しつつ、運用・保守・性能保証はすべてEverpureが行い、ストレージ容量はデータの使用量に応じて支払うサブスクリプションモデルだ。「技術面と投資面の両方から、将来の変化に対する柔軟性を確保し、投資対効果を最大化します」と中川氏は強調する。
導入実績も多い。みずほフィナンシャルグループはEverpureの「Evergreen//One」を採用することで、自社のデータ主権を守りながら、変化に対応できる柔軟性と運用の継続性を実現している。群馬大学医学部附属病院は、電子カルテを支えるデータ基盤としてEverpureの「FlashArray」を採用し、サイバーレジリエンス力を強化した。
「データの攻めと守りは相反するものではありません。確実に守り、自ら統制できるからこそ、データを安心してAIに活用することができるのです。守るデータが、攻める価値になります」と中川氏。データの主権を自ら握り続けることが、AI時代の鉄則といえそうだ。