インタビュー

特別対談 これからのエネルギーと新たな成長 海外市場も取り込み成長するスマートハウス(前編)

特別対談 これからのエネルギーと新たな成長 海外市場も取り込み成長するスマートハウス(前編)
2014年10月15日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

住宅事業にとどまらず、「ア・ス・フ・カ・ケ・ツ・ノ(安全・安心、スピード・ストック、福祉、環境、健康、通信、農業)」をキーワードに事業を拡大してきた大和ハウス工業。再生可能エネルギーやリチウムイオン蓄電池の普及・推進、HEMS(住宅エネルギー管理システム)の開発などにも取り組み、戸建住宅で創エネ、省エネ、蓄エネを実現する「スマートハウス」もいち早く導入した。さらには「スマートコミュニティ」づくりにも取り組む。一般社団法人 住宅生産団体連合会(住団連)会長も務める同社の樋口武男代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)と、エネルギーシステム研究の第一人者でもあるコージェネ財団(一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センター)の柏木孝夫理事長に議論していただいた。

新たな価値の創出で事業拡大

柏木孝夫氏(以下敬称略):戸建住宅に太陽光発電システム、家庭用のコージェネレーション(熱電併給)システム「エネファーム」、リチウムイオン蓄電池、HEMSを組み合わせた「スマートハウス」の導入が、業界全体で積極的に進められているようですね。大和ハウス工業も、いち早く導入を始めるなど、エネルギー問題に積極的に取り組んでいる企業という印象があります。どのような経営方針で事業を進めていますか。

必ず、世の中の役に立ち、人に喜んでもらえるビジネスと確信して進めました(樋口氏)
必ず、世の中の役に立ち、人に喜んでもらえるビジネスと確信して進めました(樋口氏)

樋口武男氏(以下敬称略):少子高齢化で人口が減少する日本で、住宅事業だけを続けていては次第に苦しくなっていきます。大和ハウス工業は次のステージに向け、「ア・ス・フ・カ・ケ・ツ・ノ」をキーワードに事業展開しています。アは安全・安心、スはスピード・ストック、フは福祉、カは環境、ケは健康、ツは通信、ノは農業。新たな価値を創出して世の中の役に立ち、人に喜んでもらいたいという想いです。2014年3月期の売上高は2兆7000億円。そのうち住宅事業は14~15%です。

柏木: 環境というキーワードがエネルギー関連事業の根底にあるのですね。

樋口: 1990年代のこと。創業者の石橋信夫相談役が突然、「21世紀は風と太陽と水をキーワードにした事業を考えたら良い」と言いました。その時は、何を言っているのかさっぱり分からなかった。けれど、その後、太陽光発電、風力発電が重要なビジネスとして注目を集める時代が到来しました。我々には見えなかったけれど、創業者にはこの国の将来が見えたんでしょう。

 今、大和ハウスグループは約200メガワットの再生可能エネルギーの発電事業に取り組んでいます。ハウスメーカーの中では一番多いでしょう。再生可能エネルギーを上手に使うには電気を蓄える蓄電池が必要だと考え、2006年にはリチウムイオン蓄電池を手掛けるエリーパワー(東京・品川)に32.3%出資しました。いずれも必ず、世の中の役に立ち、人に喜んでもらえるビジネスと確信して進めました。

 
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