柏木孝夫氏(以下敬称略):政府が進める電力システム改革によって、2016年から家庭部門も含め、電力小売市場は完全自由化されます。家庭向け市場は7.5兆円。この資金をどう地域に取り込み、経済の好循環を起こしていくかが「ローカル・アベノミクス」実現のカギともなります。
総務省は分散型エネルギーインフラプロジェクトを全国で推進するため、昨年11月、「自治体主導の地域エネルギーシステム整備研究会」を立ち上げました。私は座長を務めさせていただいていますが、高市大臣は第1回、第2回の会合とも、最初から最後までおられて議論に加わってくださいました。お忙しい大臣が、ずっと会合におられるというのは珍しいことですね。

「総務省は既に『ローカル10000プロジェクト』推進などに取り組み、成果を上げつつあります。『分散型エネルギーインフラプロジェクト』は地方創生のもう一つの大きな柱と位置づけています」(高市氏)
高市早苗氏(以下敬称略):ええ、そうです。総務大臣として出席すべき会議はたくさんありますから。スペシャルですね(笑)。
柏木: それほど、この分野には力を入れていらっしゃると。確かに、各地域が分散型であるコージェネレーション(熱電併給)システムや再生可能エネルギーをうまく活用し、自立的で持続可能な災害に強いエネルギーシステムを構築することは極めて大きな意味があると思います。全国に1800ある自治体のうち半分でも、こうしたシステムを取り入れれば地域は大いに活性化します。安倍晋三首相が進める「ローカル・アベノミクス」の本命プロジェクトと言ってもよいのではないですか。
高市: 第3次安倍内閣の使命は「アベノミクス」効果を全国に波及させ、元気で豊かな地方を創生すること。総務省は既に、雇用吸収力の大きい地域密着型企業の立ち上げを支援する「ローカル10000プロジェクト」推進などに取り組み、成果を上げつつあります。「分散型エネルギーインフラプロジェクト」は地方創生のもう一つの大きな柱と位置づけています。
最近は気候変動の影響か、台風や集中豪雨、豪雪の被害が拡大しています。昨年12月には、徳島県を中心とする大雪で1万3000軒以上が停電する事態が起きました。こういうニュースを耳にすると、ますます自立型エネルギーの重要性を思い知ります。
また、地域エネルギーシステムの整備に力を入れているのは、私自身、今の年齢になって痛感していることがあるからです。父が亡くなった後、故郷では高齢の母が一人で暮らしています。体調を崩したり、けがをしたりと何かある度に心配になります。私と同様に、故郷に親御さんを残して都会で働いておられる40代、50代の方は多く、故郷に帰って親の近くで暮らしたいという思いもあるでしょう。けれど、いざとなると子供の教育はどうするのか、仕事はどうするのかといった不安もあり、地方への移住に踏み切れないのが実情だと思います。
この先、地方移住へのニーズはより大きくなっていくはずです。政治家としての私の夢は、日本全国、どこの地方でも、安全に暮らすことができ、質の高い教育を子供に受けさせることができ、働く場所があるようにすること。それを実現できれば、自ずと日本は確固たる底力を持つようになると思うのです。分散型エネルギーインフラプロジェクトはその強力な手段になると考えています。