インタビュー

英国のエネルギー・セキュリティ 再エネなどによる低炭素化が鍵に

英国のエネルギー・セキュリティ 再エネなどによる低炭素化が鍵に
2013年6月17日(月)公開
構成・文/中村実里 写真/加藤康
 

電力システム改革や再生可能エネルギー導入促進、コージェネレーション(熱電併給)システムなどによる熱利用で先行する英国。その政策を主導する立場にあるエドワード・デイビー 英国エネルギー・気候変動大臣を迎え、エネルギー政策が目指す方向や具体的な施策、解決すべき課題などについて伺いながら、日本の政策に対する意見や助言もいただいた。

世界初の低炭素電力市場の構築を目指す

──英国のエネルギー政策は、どのような方向を目指しているのでしょうか。短期、中長期で、それぞれに柱となる政策の内容と、各政策を実行する上での課題などについて、お教えください。

エドワード・デイビー大臣(以下敬称略):エネルギーと気候変動関連の政策では、3つの目標があります。まず第1のターゲットは、エネルギー・セキュリティ。どこでも電気が使えるようにしなくてはいけないし、もちろん、産業にも電力供給が不可欠です。

 第2は、エネルギーが手ごろな値段で入手できるようにすること。そのために、エネルギー産業の競争を維持していく必要があります。

 そして第3は、脱炭素化です。汚れたエネルギーからクリーンなエネルギーへ、高炭素から低炭素へと転換を図り、気候変動の目標を達成します。

 こうした課題を解決し、3つの目標を達成するには、2020年までに1100億ポンドの投資が必要になります。およそ10年後までに20%の発電所を閉鎖しなければならず、そのために大きな投資が求められるからです。

 一方で、電力市場改革も推進し、世界初の低炭素電力市場を構築していきます。グリーン・ニューディールと呼ぶ政策によって、家庭やオフィス部門におけるエネルギー効率を向上させるのです。また、キャパシティマーケット(容量市場)も奨励します。

 石炭からガスへと転換を図るのが短期・中期の目標であり、さらに長期では低炭素のインフラ構築を目指していきます。それは、例えば、新たな原発やコージェネ、太陽光、海上や陸上の風力、潮力、バイオマス、地熱などの再生可能エネルギー、廃棄物発電などです。

 
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プロフィール
エドワード・デイビー(Edward Davey)氏

エドワード・デイビー(Edward Davey)
英国エネルギー・気候変動大臣、自由民主党議員
1965年生まれ。ロンドン大学バーベック校卒(経済学修士)。自由民主党の経済研究員として勤務した後、郵便サービス・セクターのコンサルタントなどを経て議員に。その後、影の内閣にて財務副大臣、教育技能大臣、外務大臣などを歴任。2010年5月、ビジネス・イノベーション省労働及び消費者事業担当政務次官に任命される。2012年2月より現職。