エネルギー分野に精通し、2019年に「真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟」を立ち上げ会長を務める衆議院議員の古屋圭司氏と、エネルギーシステム研究の第一人者として国のエネルギー政策に長年かかわってきた東京工業大学特命教授/名誉教授でコージェネ財団理事長の柏木孝夫氏による対談の後編。2050年までに温室効果ガス排出量を2013年度比80%削減するという目標実現のため、日本は先行する核融合発電の研究開発を支援すること、都心部でも利用可能な地中熱の活用推進が必要であることなどを語り合った。エネルギーの消費動向を活用したデータビジネスの有望性についても確認した。古屋氏は、今後、議員連盟が地産地消型エネルギーシステムの成功事例をつくることを目指し、一番手を走る人たちを徹底的に支援していくと力強く語った。
柏木孝夫氏(以下敬称略): これまで旧一般電源事業者はピークに合わせて電源立地をしてきました。運送業にたとえれば、1年に3~4日しか動かないトラックを100台のうち7~8台も抱えていたということです。そこに運転手を付け、保険をかけ、メンテナンスをしていたら、自由化による市場原理の中では生き残れません。これからは、自然エネルギーも取り込み、調整用にコージェネレーション(熱電併給)システムを導入した分散型電源の普及が不可欠です。一方で、パリ協定発効に伴い、日本政府は2050年までに温室効果ガス排出量を2013年度比80%削減という目標を立てています。リアリティーのある解として、原子力発電は外せません。

「原発は他に代替性のあるベースロード電源がないのですから、やらざるを得ません。私自身は2050年までには核融合発電が実用化の土俵にのってくると思っています。将来世代のために、現在を生きる我々政治家が、徹底的に技術開発を支援する必要があると思っています」(古屋氏)
古屋圭司氏(以下敬称略): 分散型エネルギーシステムの普及を進めても、電力需要のすべてをまかなうことはできません。大規模発電所は絶対に必要です。一部のメディアは「原発に賛成か反対か」というセンチメンタルな議論を進めていますが、こんなことをしても全く何の解決にもなりません。エネルギー基本計画では原子力発電をベースロード電源にすると明記しています。原発は今、いろいろな批判を受けていますが、正直言って、やらなくていいならやりたくない。やらない方がいいに決まっています。しかし、残念ながら他に代替性のあるベースロード電源がないのですから、現実的にはやらざるを得ません。
私自身は、2050年までには核融合発電が実用化の土俵にのってくると思っています。核融合発電は海水中に含まれる重水素を燃料とします。ウラン燃料を使わず、核廃棄物も出さない究極のクリーンエネルギーで、実現すれば当然、原発に代替するものとなります。核融合発電では日本独自のヘリカル方式、フランスを中心とするイーター方式などの研究が進んでいます。ヘリカル方式が少し先行し、現在のところ4千数百秒間、温度を維持することができます。これを365日維持できれば完成です。将来世代のために、現在を生きる我々政治家が、徹底的に技術開発を支援する必要があると思っています。