──今後、再生可能エネルギーやコージェネのさらなる普及に向けて、どんな課題・問題があると考えますか。
松本: 2012年にスタートした「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」は再生可能エネルギーによって発電した電力を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを義務づけるもので、買い取り金額は再エネ発電賦課金として、消費電力量に応じて電気料金に上乗せされ、国民が負担しながら普及を図る制度です。種類により買い取り期間は20年間に及びますが、それだけの長期間、発電ビジネスに真摯に取り組むという意識が十分でないようにみえる事業者もいらっしゃるようです。
再生可能エネルギーもコージェネも、システムさえあれば事業が成り立つというものではありません。実施にあたっては、工場立地法などの法関係、系統アクセス、発電量予測も含めた事業性、環境条件など、さまざまな留意事項を検討しなくてはなりません。目先のもうけに目を奪われることなく、「覚悟」が必要なビジネスなのです。

「技術開発と並行して、コミュニケーションの部分でも努力していくことが重要」と、松本氏は話す
事業者にとってはファイナンスも壁となります。再生可能エネルギーもスマートエネルギーネットワークも導入コストが高い。金融機関は事業のリスクを査定し、融資するプロジェクト、事業者を選別します。参入を目指す事業者はリスクをきちんと認識しておくことも必要です。
今後、分散型エネルギー拡大のカギとなるのは地域との共生です。風力発電は、騒音や低周波に対する懸念から、一部の立地計画地域で反対されるという問題に直面しています。事業者は地元住民に配慮し、地域と共生するかたちを模索しています。技術的課題の改善と並行して、普及の広がりとともに、コミュニケーションの側面も重要になっていくと思います。