
「資本の再分配ができるルールを作っていくことが重要で、総合的な生活支援があり、エネルギーや食などを地産地消で賄っていくような解決策が、一つあると思います。」(柏木氏)
柏木: 仕事と街を一体化して、そこに人が集まってくるという構造にしないといけませんね。今までは、工業国家である日本の各地域に工場ができて、それに伴って若い人が集まり、根づいていった。現在では、工場自体がコモディティ化してきて、安い労働力を求めて、アジアの新興国へ出て行ってしまいました。ですから、コモディティ化しないような構造を国内でうまく作る必要があります。
ドイツでは、再生可能エネルギーの導入を促進するFIT(固定価格買取制度)を活用し、旧東ドイツに太陽電池メーカーを設立するなど新産業を育成しました。さらに、生成された再生可能エネルギーを多消費地域である旧西ドイツ側の工場で利用することで、経済力のある旧西ドイツから旧東ドイツへと資金を流入させるという、所得の再分配を実現していました。
増田: ドイツ流の賢い方法で所得の分配をしているのですね。日本流だと、かつてはそれを公共事業で行っていました。地方で多くの公共事業を起こして、お金を流していたわけです。社会資本が貧しかったので、ある意味で理に適った方法でした。
柏木: EU(欧州連合)の国々が共同で行い、FITによって東欧諸国にもお金が流れるようにしています。ドイツの場合では、中国の太陽電池メーカーなどにお金が流れ過ぎて少し見直しましたが、志としては、やはり資本の再分配ができるルールを作っていくことが重要ですよね。その際は、総合的な生活支援があり、エネルギーや食などを地産地消で賄っていくような解決策が、一つあると思います。
増田: 産地からあまり物を動かさずに消費できるような構図が必要です。エネルギーや食糧はもちろん、様々な分野で賢く作り上げていく必要があります。仕事もなんとかうまく地方で作りだして、それに合った人材もきちんと配置していく。そうなれば、時間がたって、そうした地域の街が成熟して、生活の総合的な支援機能のようなものがうまく育っていくのだと思います。
今は、大阪も名古屋も全て、東京へ人を送り出す方に回ってしまっていて、東京一極集中が進んでしまいましたから、なおのこと各地域の自立を促す、そうした構図をつくることが急がれている気がします。