柏木: なるほど、そういう夢が政治家としての活動の原動力になっていらっしゃるのですね。
確かに、エネルギーシステムに対する見方は大きく変わりました。これまでは電力会社による大規模集中型の方がエネルギー効率はよいと考えられてきましたが、燃料電池など新しい発電システムが登場した今は、むしろ小規模な方が効率がよくなる場合もあります。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故も、分散型エネルギーの政治的位置づけを変える大きな要因となりました。

「バイオマスエネルギーの利用推進は林業事業者の雇用促進にもなるし、日本全体の活性化にもつながる。大変いいことだと思います」(柏木氏)
需要地に発電システムを設置する「オンサイト発電」は、発電時の排熱も有効活用できるというメリットがあり、適材適所のエネルギーシステム構築が可能になります。分散型エネルギーシステムが全体の中の一定シェアを占めるという形が、日本のエネルギー需給構造のグランドデザインになっていくものと考えています。
今は自家発電設備を、災害時などの非常用として取り入れている自治体がほとんどですが、非常用だけにとどめるのはもったいないと感じます。日本発の国際商品である燃料電池コージェネシステム「エネファーム」などを常用として使いこなし、非常時にはそれをフル稼働させるようなシステムを構築すれば、省エネと同時に、国土強靱化も実現できます。
高市: 離島など地域によっては自己完結型でエネルギーを生み出していかなくてはならないところもあるでしょう。一方で現在の発電システムを補完するようなシステムであってもいい。分散型エネルギーシステムにはいろいろな形、方法があると思います。
再生可能エネルギーに関しては、「投資に対するリターンが見込めない」といったマイナスのイメージを持つ人もいますが、必ず稼げる産業になると私は思っています。危機管理上もメリットがあり、雇用も生み出すことができるのですから、上手に取り込んでいくことが必要です。
私は“森林王国”の奈良県出身ということもあり、木質バイオマスエネルギーに大いに注目しています。木質バイオマスを活用することは、山をしっかりと手入れすることにもつながり、雇用創出効果も高いからです。
2011年、奈良県は台風12号によって大変な被害を受けました。あの時、多くの電柱が倒れ、送電網が破壊されました。また、たくさんの孤立集落が発生したのですが、その原因になったのが、手入れされていなかった山から出た倒木でした。増水した川に流れ込んだ倒木が、橋脚を破壊していったのです。山に手を入れないと、どういうことが起きるかを目の当たりにしたことで、バイオマスエネルギー利用の重要性も改めて感じました。
今は、バイオマスボイラーはドイツ製が中心ですが、全国各地でボイラーが必要になれば、日本メーカーも本格的に取り組むようになるでしょう。
柏木: 間伐した木は小さく切断して山から下ろせば資源として使えます。近くに石炭火力発電所があるならそこに混ぜ込むことで二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすこともできます。日本には家庭ごみ(一般廃棄物)の焼却施設が約1500あり、その約4割は発電にも利用しています(平成24年度、環境省の統計より)。そこで混焼してもいいでしょう。
バイオマスエネルギーの利用推進は林業事業者の雇用促進にもなるし、日本全体の活性化にもつながる。大変いいことだと思います。