
「エネルギーを起点にしたまちづくりというのも、これからの大きなテーマになると思います」(木場氏)
木場: 先日、福岡県北九州市にある「次世代エネルギーパーク」を見学させてもらう機会がありました。陸上、洋上に風力発電設備があるほか、太陽光発電やバイオマスエネルギー、LNG(天然ガス)基地などのエネルギー施設が混在し、雇用を生みながら新しいまちづくりが進んでいました。
エネルギーを起点にしたまちづくりというのも、これからの大きなテーマになると思います。柏木先生は、総務省が分散型エネルギーインフラプロジェクトを全国で推進するため、昨年11月に立ち上げた「自治体主導の地域エネルギーシステム整備研究会」の座長を務めていらっしゃいます。ローカル・アベノミクスの目玉の1つとも言えそうな事業のようですが、どんな内容ですか。
柏木: 今、市町村は停電した時には住民管理が一切できなくなってしまいます。使用量全体の3分の1ぐらいの電力を発電できるコージェネを持てば、万一の場合にも最低限の自治体活動ができます。
そのためにも、新しい形の公共事業を行うことを提案しました。通信ケーブルなどが入っている地下の洞道(とうどう)に熱導管を通す公共工事を行うのです。
全国に1800ある自治体がコージェネを入れ、熱導管を通し、多様なローカル・エネルギーをうまく取り込む。各地域が分散型であるコージェネシステムや再生可能エネルギーをうまく活用し、自立的で持続可能な災害に強いエネルギーシステムを構築すれば、国土強靱化にも役立ちます。
こんな提案をしたところ、前総務相の新藤義孝さんや現在の総務相の高市早苗さんが「それはいい」と賛同してくださいました。エネルギー改革は実は自治体改革にもつながります。
また、私は今、国土交通省の国土審議会計画部会のメンバーにもなっています。計画部会は、この6月に今後10年の国づくりの指針となる新たな「国土形成計画案(最終報告)」をまとめましたが、そのキーワードは3つ。「多様性」「ネットワーク化」「強靱化」です。エネルギーに落とし込んで考えると、それぞれ地産地消のローカル・エネルギーの取り込み、スマート化、分散型エネルギーの導入に当たります。
今の日本に必要なものの多くはエネルギー改革と関係しているのです。