インタビュー

[新春特別対談]
コージェネが加速する社会インフラ革命
分散型システム、熱の有効活用から生まれる
新たなビジネスと経済成長(後編)

熱もデマンドコントロールも地域でこそ利用可能

「燃料電池は日本が最新技術を持つ大型商品であり、産業政策上も重要です。定置用燃料電池や燃料電池自動車の活用を広げ、水素・燃料電池分野で市場を獲得していくべきです」(柏木氏)
「燃料電池は日本が最新技術を持つ大型商品であり、産業政策上も重要です。定置用燃料電池や燃料電池自動車の活用を広げ、水素・燃料電池分野で市場を獲得していくべきです」(柏木氏)

柏木: 14年、総務省を中心に資源エネルギー庁、林野庁、環境省の4省庁が連携し、「分散型エネルギーインフラプロジェクト」事業化促進に向けたタスクフォースを立ち上げました。全国に1700ある自治体がコージェネなどを導入し、熱導管を通し、自然エネルギーを取り込みながら、エネルギーの地産地消を実現すれば、自立的で持続可能な災害に強いエネルギーシステムを構築できます。地域で雇用を創出し、地域経済活性化につなげることもできます。最近はこのプロジェクト推進が地銀改革にもなると、金融庁も乗り気になっているようですね。こうしたインター省庁の取り組みは重要だと思います。

藤木: 5省庁の人間が日常的に顔を突き合わせ、同じ方向に向かって情報交換したり、ディスカッションし合うようになったりしたことは、非常に意義深いと感じています。

 「低炭素」「脱炭素」の柱は熱の有効活用だと言いましたが、熱というのはどうしても地理的制約を受けます。地域の中で活用するしかない。また、デマンドコントロールについても直接的な操作はICTで遠隔制御できますが、「ちょっと電気が足りなくなりそうだからみんなで節電しよう」とか「今晩は利用を控えてほしい」といった話は、地域で顔を見知った関係でないとやりにくいところがあります。

 熱、デマンドコントロールといったこれからのエネルギーシステムを支える重要なファクターは地域でこそ利用可能。ですから地域に分散型エネルギーシステムを整備することは非常に意味があるのです。また、エネルギーは他のサービスとも結びつきやすい。「あの家のおじいちゃん、朝からずっと電気を使っていないけど大丈夫?」と、高齢者の見守りサービスにつなげるという具合です。豊かな発想で新しいビジネス、サービスを生み出してほしいですね。

 
前ページ前ページ 123 次ページ次ページ
 
インタビュー 記事一覧
 
 
 
プロフィール
藤木 俊光(ふじき としみつ)氏

藤木 俊光(ふじき としみつ)
経済産業省 資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部長
1988年、通商産業省(現経済産業省)入省。富山県商工労働部長、知事政策室長、中小企業庁長官官房政策企画官、事業環境部金融課長、経済産業省大臣秘書官事務取扱、製造産業局産業機械課長、経済産業政策局企業行動課長、経済産業政策局経済産業政策課長、大臣官房総務課長を経て、2015年7月から現職。

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)氏

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)
東京工業大学 特命教授/名誉教授
コージェネ財団 理事長
1946年東京生まれ。70年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79年、博士号取得。東京工業大学工学部助教授、東京農工大学工学部教授、東京農工大学大学院教授などを歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機構教授、12年より特命教授/名誉教授。11年よりコージェネ財団理事長。経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し長年、国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー分科会長、基本政策分科会委員などを務める。主な著書に「スマート革命」「エネルギー革命」「コージェネ革命」など。

News & Topics

来る2月15日、コージェネ財団は、「IoTネットワークによる超スマートシティへのアプローチ」をテーマに、「コージェネシンポジウム2018」を東京・千代田区のイイノホールで開催します。翌16日には、テクニカルツアーも実施します。ぜひご参加ください。

詳細はこちら詳細はこちら

一般財団法人
コージェネレーション・
エネルギー高度利用センター

〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-4
アーバン虎ノ門ビル4階
TEL. 03-3500-1612
FAX 03-3500-1613