インタビュー

[新春特別対談]
水素社会実現による新たな価値創生
2020年、東京を水素社会のショーケースに(前編)

国民理解を得ることが水素普及のカギ

小渕: ただ、水素社会を実現していくには課題もあると感じています。一つは一般的に水素エネルギーについての理解が進んでいないこと。「危ないのでは」「爆発するんじゃないか」といったイメージが根付いてしまっています。まずは誰にとっても身近なFCVの普及を進め、水素に対する認識を変えていかなくてはいけないと思っています。

柏木: 福島原発で水素爆発してしまったイメージが大きいですね。水素は軽い気体で、貯まらなければ逃げるだけで全く危ないことはないのですけれど。

小渕: そのあたりの理解が進まないと水素ステーションも設置しにくいですね。

柏木: 「ウチの近くには設置しないで」ということですね。ただ、そういう認識も徐々に変わり始めているように思います。竹中工務店は本店がある東京・江東区で水素エネルギー活用技術の実証を開始しています。自社の建物がある敷地内で太陽光発電の余剰電力から水素をつくり、ムダなく貯め、高効率に使うシステムを構築しました。こうした事例がどんどん増えるといいのですが、問題はコストです。欧米でシステムをつくる場合の2倍以上高くなるそうです。様々な規制が存在することが影響しています。

小渕: まさに水素普及のもう一つの課題だと考えているのが規制です。保管タンクの定期検査などが義務づけられているため、どうしても設置・運営コストが高くなってしまいます。当然、確実な安全を担保した上でのことですが、時代に合わない規制は緩和・撤廃を進めていかなくてはいけません。国民理解を深めること、FCVや水素ステーションの普及を加速させること、規制を緩和・撤廃すること。これらを一体で進めていきたいと思っています。

柏木: 水素社会実現に向けた推進法をつくるなど、フレームワークを整備し、今の技術レベルに適合した規制にしていくことが求められますね。水素議連の活動はそういう流れをつくるもので、さらに期待しています。

[新春特別対談] 水素社会実現による新たな価値創生 2020年、東京を水素社会のショーケースに(前編)

 
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プロフィール
小渕 俊光(ふじき としみつ)氏

小渕 優子(おぶち ゆうこ)
元経済産業大臣
自由民主党 衆議院議員
自民党議員連盟「FCV(燃料電池自動車)を中心とした水素社会実現を促進する研究会」(通称:水素議連)会長
1973年群馬県生まれ。96年成城大学経済学部卒業。2006年早稲田大学大学院修了。1996年東京放送入社。99年衆議院議員秘書を経て2000年衆議院議員に当選。06年文部科学大臣政務官、08年内閣府特命担当大臣(少子化対策・男女共同参画・公文書管理・青少年問題・食育)、10年自民党人事委員長、11年自民党幹事長代理に就任。12年第2次安部内閣で財務副大臣を務める。13年衆議院文部科学委員長を経て14年第2次安部改造内閣で経済産業大臣および内閣府特命担当大臣(産業競争力・原子力経済被害・原子力損害賠償・廃炉等支援機構)に。16年10月に水素議連会長に就任。群馬県第5区で当選7回。

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)氏

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)
東京工業大学 特命教授/名誉教授
コージェネ財団 理事長
1946年東京生まれ。70年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79年、博士号取得。東京工業大学工学部助教授、東京農工大学工学部教授、東京農工大学大学院教授などを歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機構教授、12年より特命教授/名誉教授。11年よりコージェネ財団理事長。経済産業省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し長年、国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー分科会長、基本政策分科会委員などを務める。主な著書に「スマート革命」「エネルギー革命」「コージェネ革命」など。

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来る2月15日、コージェネ財団は、「IoTネットワークによる超スマートシティへのアプローチ」をテーマに、「コージェネシンポジウム2018」を東京・千代田区のイイノホールで開催します。翌16日には、テクニカルツアーも実施します。ぜひご参加ください。

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