小渕: ただ、水素社会を実現していくには課題もあると感じています。一つは一般的に水素エネルギーについての理解が進んでいないこと。「危ないのでは」「爆発するんじゃないか」といったイメージが根付いてしまっています。まずは誰にとっても身近なFCVの普及を進め、水素に対する認識を変えていかなくてはいけないと思っています。
柏木: 福島原発で水素爆発してしまったイメージが大きいですね。水素は軽い気体で、貯まらなければ逃げるだけで全く危ないことはないのですけれど。
小渕: そのあたりの理解が進まないと水素ステーションも設置しにくいですね。
柏木: 「ウチの近くには設置しないで」ということですね。ただ、そういう認識も徐々に変わり始めているように思います。竹中工務店は本店がある東京・江東区で水素エネルギー活用技術の実証を開始しています。自社の建物がある敷地内で太陽光発電の余剰電力から水素をつくり、ムダなく貯め、高効率に使うシステムを構築しました。こうした事例がどんどん増えるといいのですが、問題はコストです。欧米でシステムをつくる場合の2倍以上高くなるそうです。様々な規制が存在することが影響しています。
小渕: まさに水素普及のもう一つの課題だと考えているのが規制です。保管タンクの定期検査などが義務づけられているため、どうしても設置・運営コストが高くなってしまいます。当然、確実な安全を担保した上でのことですが、時代に合わない規制は緩和・撤廃を進めていかなくてはいけません。国民理解を深めること、FCVや水素ステーションの普及を加速させること、規制を緩和・撤廃すること。これらを一体で進めていきたいと思っています。
柏木: 水素社会実現に向けた推進法をつくるなど、フレームワークを整備し、今の技術レベルに適合した規制にしていくことが求められますね。水素議連の活動はそういう流れをつくるもので、さらに期待しています。
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