インタビュー

[新春特別対談]
水素社会実現による新たな価値創生
2020年、東京を水素社会のショーケースに(後編)

安定的に利用できる地熱エネルギーに期待

柏木: バイオマス発電は今、ちょっとしたバブル状態にあります。2017年3月末時点で、バイオマス発電の設備認定容量は1242万kWと前月(596万kW)の2倍以上に拡大しました。固定価格買い取り制度において、木質バイオマスの買い取り価格が2017年10月に引き下げられるのを見込み、駆け込みで認定申請した事業者が相次いだのが理由です。再生可能エネルギーはこれまで太陽光、バイオマスと普及してきましたが、私は地熱にも大いに期待しています。

小渕: 私も地元の皆さんにはぜひ地熱に取り組んでほしいと思っているところです。草津温泉のような有数の温泉地もありますから。けれど地元の方たちの発想は逆。「地熱発電して温泉の熱が逃げてしまったらどうするんだ」となってしまいます。

「地熱は変動性がなく一定に生まれるエネルギーなので、夜間、電力需要が少ない時間帯に水素をつくって貯めておくことができます。昼間にその水素をコージェネで電気と熱に変えて使えばゼロエミッション型のエネルギーシステムが構築できます」(柏木氏)
「地熱は変動性がなく一定に生まれるエネルギーなので、夜間、電力需要が少ない時間帯に水素をつくって貯めておくことができます。昼間にその水素をコージェネで電気と熱に変えて使えばゼロエミッション型のエネルギーシステムが構築できます」(柏木氏)

柏木: 地熱と温泉とでは利用する地層の深さが違いますから、地熱発電を利用しても温泉に影響することはありません。どこかの地域で成功モデルを見せられるといいですね。地熱は太陽光や風力と異なり、変動性がなく一定に生まれるエネルギーなので、夜間、電力需要が少ない時間帯に水素をつくって貯めておくことができます。昼間にその水素をコージェネで電気と熱に変えて使えばゼロエミッション型のエネルギーシステムが構築できます。

小渕: 地熱は北海道から九州まで日本中が利用できる数少ない資源であり、有効活用したいですよね。

 私は2016年夏、オーストラリアに視察に行ったのですが、改めて、日本はなんて資源に乏しい国だろうと痛感しました。オーストラリアでは天然ガスが出るし、石炭は山ほどあります。加えて太陽の照り方も風の吹き方も日本とはちがって強烈です。本当に資源が豊かです。でも不思議なことに、そんなに資源豊富でも、オーストラリアでは停電が起きるんですね。それを考えると、日本は資源がない中で本当によくやってきたと感じます。技術でカバーしながら省エネを徹底し、安定したエネルギーシステムを構築し、運営してきました。この日本の技術力と創意工夫とをもってすれば、将来のエネルギー産業にはもっともっと期待できると思います。

 
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プロフィール
小渕 俊光(ふじき としみつ)氏

小渕 優子(おぶち ゆうこ)
元経済産業大臣
自由民主党 衆議院議員
自民党議員連盟「FCV(燃料電池自動車)を中心とした水素社会実現を促進する研究会」(通称:水素議連)会長
1973年群馬県生まれ。96年成城大学経済学部卒業。2006年早稲田大学大学院修了。1996年東京放送入社。99年衆議院議員秘書を経て2000年衆議院議員に当選。06年文部科学大臣政務官、08年内閣府特命担当大臣(少子化対策・男女共同参画・公文書管理・青少年問題・食育)、10年自民党人事委員長、11年自民党幹事長代理に就任。12年第2次安部内閣で財務副大臣を務める。13年衆議院文部科学委員長を経て14年第2次安部改造内閣で経済産業大臣および内閣府特命担当大臣(産業競争力・原子力経済被害・原子力損害賠償・廃炉等支援機構)に。16年10月に水素議連会長に就任。群馬県第5区で当選7回。

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)氏

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)
東京工業大学 特命教授/名誉教授
コージェネ財団 理事長
1946年東京生まれ。70年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79年、博士号取得。東京工業大学工学部助教授、東京農工大学工学部教授、東京農工大学大学院教授などを歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機構教授、12年より特命教授/名誉教授。11年よりコージェネ財団理事長。経済産業省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し長年、国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー分科会長、基本政策分科会委員などを務める。主な著書に「スマート革命」「エネルギー革命」「コージェネ革命」など。

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来る2月15日、コージェネ財団は、「IoTネットワークによる超スマートシティへのアプローチ」をテーマに、「コージェネシンポジウム2018」を東京・千代田区のイイノホールで開催します。翌16日には、テクニカルツアーも実施します。ぜひご参加ください。

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