
「これまで、エネルギーに関して、地域は『原子力発電の設置に賛成するか、しないか』といった程度のかかわり方しかしていませんでした。今後は各地域がそれぞれの特色を生かしたエネルギーシステムを独自につくっていくことが必要ですね」(柏木氏)
柏木: 「真の」と付けたところに古屋さんの特別な思いを感じます。
古屋: 「真の」という言葉はどうしても入れたいと思ってあたためていました。せっかく地産地消型のエネルギーシステムをつくっても、過度に自立型にこだわるあまり、結果として経済性を損なう例、また地域内の経済循環に寄与しない、つまり地域にお金が落ちない例があることなどは、非常に問題だと思っています。地域にお金が循環するシステムこそが真の地産地消型システムと言えるのであり、そういうシステムをつくらなくては意味がないと考えます。地域にお金が循環すれば、税収増によって地方経済の活性化にもつながります。地方創生の大きなツールになり得ます。
議員連盟で議論している内容を「骨太の方針」や「国土強靱化年次計画」にも反映させたいと強く働きかけ、非常にタイミングよく、どちらにも「真の地産地消の推進」という文言を入れることができました。
柏木: 確かに地域にお金が落ちない地産地消型エネルギーシステムは多いですね。メガソーラーなどの場合、建設にお金がかかるため、多くはバックに外資系ファンドなどが付いています。日本の富が「再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」を通じて外資系企業に流れてしまうというのは大きな問題です。
こうした事態は、FITで先行していたドイツでも起きています。ドイツは統一後、旧東ドイツと旧西ドイツの所得格差が大きかったことから、エネルギー政策によってそれを改善しようとFITを導入しました。風力発電による電力を普通の値段の3倍ぐらいで買い取る仕組みにしたところ、農業地帯の多い東ドイツの所得は3割ぐらい増えました。
エネルギーを多く消費する西ドイツからお金が循環し、所得がうまく再配分された格好となったのです。その時点では成功と言えたのですが、同じFITを太陽光でやったら、中国製の太陽光発電システムの導入が進み、中国ばかりにお金が流れる形になってしまった。
日本も東日本大震災後、被災地にお金を循環させる狙いでFITを導入しましたが、制度がやや未熟なうちに手の早い民間事業者にいいとこ取りをされてしまった面がありますね。