柏木: このような形で都市部に分散型電源を導入すると強靱化につながります。その分、系統電力に空きも生まれ、国民負担をかけることなく、自然エネルギーを都心に運ぶことができます。
古屋: 例えば、地中熱の利用などは、都心部でも可能です。以前、千代田区で地中熱を利用したビルを見に行ったことがあります。消費する熱の7割をまかなっているという話でした。
柏木: 地中熱は「アースチューブ」という地中に埋めたチューブを活用します。夏は涼しく冬は温かい地中温度を利用し、建物に導入する外気をチューブに通して冷却したり加熱したりします。自然エネルギーそのものですから環境負荷も低い。都心部でこうした自然エネルギーを活用したり、コージェネを導入したりと分散型エネルギーを活用できれば、遠くから電力を運ばずに済みます。非常に有効だと思います。
これからはエネルギーの消費動向を活用したデータビジネスも活性化しそうです。例えば運送業。電気を使っている家は在宅、使っていない家は不在と分かります。在宅の家を集中的に回れば運送の効率化が図れます。エネルギーを軸に新たなビジネスモデルが生まれてきます。こうしたデータビジネスも真の地産地消型エネルギーシステムの重要な要素になるのではないでしょうか。
古屋: おっしゃる通りです。それを実現するには、縦割りを脱却しなくてはなりません。企業を見ていると、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、エネルギーの活用といったテーマに関しては、担当セクションの部長しか知らないことが多い。技術やノウハウを持っていてチャンスはあるのに、宝の持ち腐れになっていることが多く、もったいないと感じます。横の連携を取っていくことが不可欠です。経営トップも、担当者任せにするのではなく、自身で重要なポイントはしっかり押さえることが必要です。それができない人は経営者になってはダメ。そういう時代に来ていると思います。
柏木: 省庁、役所も依然として縦割りの問題があります。
古屋: 行政の場合、縦割りを脱却するのは民間よりも大仕事です。まずは民間が縦割りを取っ払い、行政にも訴え、働きかけていくことが必要だと思います。
柏木: 真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟は今後、どのような展開をしていきますか。
古屋: 次は、目指すエネルギーシステム構築のために、しっかり予算をつけていきたい。できればインター省庁で対応したいと思います。そうすることで、少しでも早く成功事例をつくりたいですね。横並びで対応する必要は全くないと思っています。日本は二番手、三番手を走るのは得意ですが、一番手を走るのが苦手。私たちは「よし、やろう」と手を挙げ、一番手を走る人たちを徹底的に支援します。他の自治体や関係者が参考にできる成功事例をつくりたいと思います。
柏木: コージェネ財団も成功事例づくりにぜひかかわりたいと思います。
古屋: 真の地産地消型エネルギーシステムの先行事例を立ち上げましょう。ぜひお力添えください。
