インタビュー

新春特別対談
エネルギーインフラの未来
地域を活性化する
「真の地産地消型システム」構築を(後編)

電線、光ファイバー、熱導管を一体化したインフラに

「日本のエネルギーインフラは老朽化しています。この機に電線、光ファイバー、熱導管を一体化したインフラに転換できれば、『SDR(スマート化、デジタル化、レジリエンス)』を実現したスマート&マイクロコミュニティーが出来上がります」(柏木氏)
「日本のエネルギーインフラは老朽化しています。この機に電線、光ファイバー、熱導管を一体化したインフラに転換できれば、『SDR(スマート化、デジタル化、レジリエンス)』を実現したスマート&マイクロコミュニティーが出来上がります」(柏木氏)

柏木: 日本のエネルギーインフラは老朽化しています。この機に電線、光ファイバー、熱導管を一体化したインフラに転換できれば、これからのエネルギーシステムのキーワードである「SDR(スマート化・デジタル化・レジリエンス)」を実現したスマート&マイクロコミュニティーが出来上がります。最近は災害で大規模停電が起きることが増えていますが、こういうコミュニティーをつくれば、オフグリッド化しても、電気が使えます。

古屋: 2019年9月に発生した台風で、千葉では大規模な停電が長期間続くなど甚大な影響が出ました。地産地消型エネルギーシステムが出来上がっていれば、ここまで深刻にはならなかったはずです。

 今、おっしゃったインフラの整備には、道路下の敷設情報を3Dで一元管理することが必要となります。1つ、面白い会社があります。道路下の調査を行うジオ・サーチという会社です。最高時速80kmで走行しながら路面にマイクロ波を照射し、道路下の異常箇所を発見する技術を持っていて、従来の打音検査と比べ、コスト・時間を大幅に削減できるのです。私が国土強靱化初代大臣を務めた時、全国の道路や橋が傷んでいるということで、調査をするためにこの技術を使いました。定期的に調査すれば、劣化の進行度合いもデジタルで科学的に解析でき、進行が早いところから修復するといった適切な対応が可能になります。

 電線や光ファイバー、熱導管などのインフラを一体化し、3Dで一元管理すれば、付加価値はものすごく高くなると思います。

柏木: これからは地下空間の有効活用も1つの課題になりそうですね。東京・日本橋室町では三井不動産と東京ガスが連携したスマートエネルギープロジェクトが始動しています。川崎重工業製の7800kWの大型コージェネシステムを3台導入し、地下に独自の自営線を張り巡らせて、地域のビルにエネルギー供給を行うというものです。三越を含む歴史ある建物をそのまま使いながら省エネ・省CO2を実現しました。

古屋: 日本はすぐに建物を建て替えてしまいますが、そういう対応ができるのはいいことですね。ヨーロッパは由緒ある建物をなるべく残そうとします。CLTという木質材料を使って建造物をつくるフィンランドなどは見事なものです。

 
前ページ前ページ 123 次ページ次ページ
 
インタビュー 記事一覧
 
 
 
プロフィール
古屋 圭司(ふるや・けいじ)氏

古屋 圭司(ふるや・けいじ)
衆議院議員
真の地産地消型エネルギーシステムを構築する議員連盟会長
資源確保戦略推進議員連盟会長
1952年生まれ。90年岐阜県第5選挙区(多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市)に初当選。以来10期連続当選。法務政務次官、経済産業副大臣、衆議院商工委員長、文部科学委員長を務める。2012年12月、第2次安倍晋三内閣で国務大臣(国家公安委員会委員長、拉致問題担当、防災担当、初代国土強靭化担当)に就任。16年自由民主党選挙対策委員長、17年衆議院 議院運営委員長等を歴任。

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)氏

柏木 孝夫(かしわぎ たかお)
東京工業大学特命教授/名誉教授
コージェネ財団理事長
1946年東京都生まれ。70年東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79年博士号取得。80~89年米商務省NBS招聘研究員、88年東京農工大学工学部教授などを経て2007年東京工業大学大学院教授に就任。12年東京工業大学特命教授に。専門はエネルギー・環境システム。03年日本エネルギー学会学会賞(学術部門)、08年文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)など受賞多数。経済産業省総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長、同調査会総合部会委員等でも活躍。著書に『スマート革命』『エネルギー革命』『コージェネ革命』『超スマートエネルギー社会5.0』など。