──電力システム改革のための電気事業法改正案が今国会(第183通常国会)に提出されましたが、本来の狙い通りに改革を実行できるのか、危ぶむ声もあるようです。
佐藤: 震災を受けて、やはりこの電力システム改革の推進は、待ったなしの課題であると認識しています。ですから、何が何でも今国会で審議して通させていただくという決意で、私どもは臨んでいます。今国会で何としても可決し、日本経済の再生に向けて大きく一歩を踏み出すことが極めて重要なのです。先行きの方向性をきっちりと明示し、前進するための迅速な対応が求められていると思います。
──電力のみならず、熱やガスなども含めたエネルギー関連分野の成長戦略について、現在、検討を進めていることがあれば教えてください。

「(電気事業法改正案は)今国会で何としても可決し、日本経済の再生に向けて大きく一歩を踏み出すことが極めて重要」と佐藤政務官
佐藤: 例えば、3月の産業競争力会議において、エネルギー分野では戦略市場創造プランとして4つのポイントを示しています。1つは、先ほど挙げた石炭や天然ガスを燃料とする高効率な火力発電技術の分野。これが、日本の成長を支える第1の柱になると考えています。
そして、第2の柱が、蓄電池分野です。再生可能エネルギーの導入を加速しようとしていますが、やはり風力や太陽光による発電は不安定な面がありますので、蓄電池を介して安定的な供給に変える必要があります。ですから、極めて重要な産業として、これから蓄電池分野に力を入れていかなくてはなりません。産業用や自動車用、あるいは住宅用などについて、研究開発を強力に推し進めていくことを考えています。
また3つ目の柱は、スマートコミュニティを実現するコージェネや自然エネルギーなどの分散型システム、スマートメーターやエネルギーマネジメントシステムの技術開発と普及促進です。政府としては、補助金などによる支援に加え、必要となる規制緩和も進めていきます。
さらに4つ目の柱としては、次世代デバイスとなるパワーエレクトロニクスが挙げられます。パワーエレクトロニクスは、電力の周波数を変えたり、交流と直流を変換したりする技術で、その効率化を実現します。エアコンのインバータに応用されている技術です。日本では、ほぼ全てのエアコンにインバータが搭載されていますが、海外では必ずしもそうではありません。また、炭化ケイ素(SiC)という扱いが困難な新しい素材を使いこなすことによって、さらに効率性を高めた次世代のパワーエレクトロニクスなどで、日本の技術的な強みを生かせると考えます。