APU 国際経営学部 副学部長 准教授
アルカンタラ ライラーニ ライネサさん

日本在住歴通算17年というアルカンタラ ライラーニ ライネサ先生。フィリピンから筑波大学に進学し、大学院卒業後、アメリカの大学に勤務したものの、APUの存在を知って夫ともども日本に戻ってきてAPUに就職されました。今年から副学部長に就任したアルカンタラ先生は国際経営学部(APM)で、学生たちにチームを組ませロールプレイをお互いビデオに撮って編集し発表させる、といった面白い授業を行っています。研究者としてはイノベーションとグローバル・ニッチ・トップについても研究を継続中。そもそもAPUはイノベーションを繰り返してきた大学であり、その結果、アジアの一角を担うグローバル・ニッチ・トップの大学でもあります。APUで行っている研究や、副学部長に就任した意気込みも合わせて、伺いました。
私はフィリピン出身で、筑波大学に進学して国際開発を学びました。
日本を目指した理由は、アジアの小さな国なのに、GDPが世界2位(当時)と経済大国であるところに憧れたからです。
筑波大学では大学院まで進み、博士号を取得したあとはアメリカに渡り、テキサス州の大学で教員をやっていました。何年か働いた後、APUのことを知り、2010年、日本に戻ってきたんです。
APUは、いい意味でアメリカの大学の良さと、日本の大学の良さ、両方を持っている、と思いました。なんといっても、学生の半数が留学生で、英語による授業がある、というのは、英語と日本語、どちらでも授業を行える私にとって、うってつけでした。
テキサス州の大学に勤めていたときは、筑波大学で知り合い結婚した韓国人の夫は日本に勤めていました。日本で教員の就職口があるならば、韓国とフィリピン、夫婦どちらの祖国にも近い日本のほうが、アメリカに比べて、将来設計もしやすいだろう、と2人の意見が一致しました。
APUは強烈なミッションの下に運営されている大学です。世界各地から優秀な学生を呼ぶために奨学金を出して援助しているのも、非常に素晴らしい施策です。大学院ではなく、学部教育から英語による授業を完備して、国際的に門戸を開いている。大学として、新しいモデルを創ろうという意欲があふれています。それに呼応するように、先生たちも学生たちも前向きで、真剣で、新しくて、ベンチャー精神にあふれている。
常に新しい取り組みを求めている自分には、ピッタリの大学だと思いました。
2010年、着任して思ったのは、APUは日本の中にある「世界」だ、ということでした。いい意味で、外国人である自分がまったく浮かない環境なんです。筑波大学にいたときは、たくさんの留学生はいたけれど、それでも自分が「日本という異国」にいるんだ、という意識がありました。APUだとそれがないんです。
じゃあ、アメリカの大学はどうだったか、というと、英語が自由に使えるという意味で、日本よりも言語の面では便利だけど、やはり「アメリカという異国」にいる、と感じていました。その点では日本と変わりませんでした。
APUは、「異国」じゃなくて、「世界」なんです。なにせ、たくさんの国・地域から人が、1つのキャンパスに集まっているからです。世界的に見ても希有(けう)の教育環境だと思いますよ。
APUで、私は2つの研究に関わっています。
1つが「イノベーション」についての研究です。そもそも「新しいもの」が誕生する瞬間が大好きなところから来ているのですが、ご存じの通り、「イノベーション」についての研究は今や経営学の中心課題です。APUでは、ある国で生まれたイノベーションが、海を渡って別の国に普及する道筋や仕組みについて研究を重ねています。
APU自身が、大学という昔からある教育機関における「イノベーション」です。
イノベーションを起こすには、さまざまな価値観、さまざまな考えを持つ人が同じ場に集まっていることが必須です。APUは、開学当初から、外国人の比率50%を学生についても教員についても目標に掲げ、さらに50ヵ国以上の国から人材を招こうとしました。この高い目標こそが、APUのイノベーションの真髄です。結果として多様な国からやって来た多様な人材が混じり合うことで、さらにAPUはイノベーションが生まれやすい場所となりました。
もう1つの研究テーマは、「グローバル・ニッチ・トップ」。
国際経営学部(APM)で進めている、ニッチ市場でナンバーワンをとる中小規模の会社「グローバル・ニッチ・トップ」の研究チームに参加しています。私が調査しているのは、台湾のナンバーワン自転車メーカーで世界的なシェアをかちとったジャイアント・マニュファクチャリングや、台湾会社デントロニクスの電気外科機器などです。いずれも地域でオンリーワンにしてナンバーワンの地位を獲得し、そのまま世界的地位を占めるに至った企業です。ニッチ市場での成長のプロセスを研究しているわけですね。
実は、グローバル・ニッチ・トップのイノベーションの研究につながっているんです。というのも、これまでの研究結果を見ると、イノベーション力を持つ企業がグローバル・ニッチ・トップになる可能性が高いからです。
グローバル・ニッチ・トップの好例として、大分県の地元の酒造メーカーで全国でも「いいちこ」で有名な三和酒類のケーススタディを同社の方に発表していただく授業も行いました。
その時には、学生たちにこんな課題を出しました。
————三和酒類がこれから海外に進出するにあたって、どんな戦略をとり、どんな国に進出すべきか。グループワークで考えなさい。
この時、留学生がたくさんいるAPU ならではの面白い意見が出ました。「いいちこ」には、ビン入りの商品だけではなく、紙パック入り商品があります。紙パックに入っている焼酎を見て、アメリカ人の学生が思わず「これ、牛乳?」と聞いたのです。というのも、アメリカでは紙パックの飲み物といえば、牛乳しかあり得ない。だから、酒類が紙パックに入っているのは、非常に強い違和感がある。もし三和酒類が「いいちこ」をアメリカで発売するならば、商品パッケージは、紙パックではなくビンにすべきだろう、という意見でした。
このように、海外でリサーチしなくとも、プロダクトに対する世界各国の意見が教室内で得られるんです。学生にとってはもちろん、企業にとっても収穫のある授業だったと思っています。
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田舎で世界を学べば、 「和の心」を持った国際人になります |
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「アジア太平洋」を丸ごとキャンパスに そこから未来のリーダーを輩出していく |
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APUは日本の中の「世界」でした
だからイノベーションが生まれ続けるんです |
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ため池にクヌギ林にシイタケにサンショウウオ! APUパワーで、大分・国東半島を世界農業遺産へ | |
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