提供:Google 協力:日経BP 総合研究所

THE NEXT X 変革の扉

テクノロジーによる社会の未来への貢献を目指すグーグル。
「AI の力で解き放とう、日本の可能性」というビジョンに基づく日本における取り組みを紹介する

Google Cloud クラウド AI・インダストリーソリューションズ プロダクト・マネージメント・ディレクター アーワン・メナード 氏
Vol.10

「AIファースト」が企業価値創造の鍵
持続的成長やSDGs貢献の基盤にも

Google Cloud アーワン・メナード 氏
ビジネスや社会の変革を後押しする技術として注目されるAI(人工知能)。とはいえ、実際に取り入れるとなると、どのようにビジネスに適用していけばいいのか、そのために必要なスキルや体制はどうあるべきかなど、判然としない部分は多い。一般的な企業がAIを活用するために必要なアプローチについて、グーグル・クラウドのクラウド AI・インダストリーソリューションズの責任者であるアーワン・メナード氏に話を聞いた。

全ての製品やサービスを
AIありきで考える

Google Cloud
クラウド AI・インダストリーソリューションズ
プロダクト・マネージメント・ディレクター
アーワン・メナード

――ビジネスに変革をもたらす技術としてAIに大きな期待が寄せられています。企業がAIを活用し、メリットを引き出すにはどのようなアプローチが必要でしょうか。

メナードまず「AIファースト」という考え方を持つことが大切です。いきなりAIをフル活用するのは難しいかもしれませんが、AIファーストというコンセプトを導入することはどの企業でもできるでしょう。AIは私たちGoogleのDNAのようなものです。この20年間、私たちもAIファーストの姿勢を貫いて、AIの力によって世界の情報を整理して困難な課題を解決し、世界中の人たちや企業の役に立つサービスを提供してきました。

 私たちのAI活用の始まりはGmailです。大量かつ多様なメッセージが蓄積されていく電子メールにAIを適用してみると、過去にやり取りしたメッセージの検索などの顧客体験を大幅に向上させることができました。このように、顧客体験の向上などを目指して、商品やサービスに積極的にAIを適用していく考え方がAIファーストです。

 例えばECサイトにレコメンデーション機能(おすすめ品などを提示)を加える場合も、従来のように「下着を購入した人は、次は靴を買うだろう」といったルール設定に基づくのではなく、AIを使うことで、もっときめ細かく、それぞれの顧客に合わせた提案が可能になります。Google Cloud のAPIを使えば、Googleの20年間のナレッジから生まれたAIを、AIに深い知見がなくとも手に入れられるわけです。

――どのような場面で使うと効果を得やすいのでしょうか。

メナード視点は2つあります。1つ目は人手がかかっていて、繰り返しの作業が必要で、正確性が求められる業務。2つ目は顧客体験の向上です。顧客のニーズを理解してサービスや製品を改善していくことはAIが得意とするところです。

Googleのナレッジを
誰もが簡単に享受できる

――実際に多くの企業がAIで効果を上げているのは、どのような使い方でしょうか。

〝失敗して学ぶ〟を繰り返す。
成功することがわかれば 文化は変わっていきます

メナード会話のテキスト化や、テキストの自動翻訳はAIの導入効果がすぐに表れる領域です。すでに汎用性が高く完成したAIモデルがありますから、専門知識やスキルがなくても簡単に利用できます。もちろんカスタマイズも可能で、あらゆる業種・業態で使えます。

 膨大なデータから何らかの分析結果を導き出すようなケースでもAIは威力を発揮します。顧客のキャンセル率を改善する、製品のメンテナンス時期を予測する、店舗の顧客の動きを推測するといった用途です。すでに関連するデータを収集している企業であれば、AIによってさらに大規模かつ短時間に正確な成果を上げることができます。

 既存の業務プロセスを効率化し、時間短縮するような場面でもよく利用されます。例えばコンタクトセンターにAIを導入し、顧客との会話をAIで自動的に要約してCRM(顧客情報管理)に反映させる、といった具合です。手作業で行っていたリポート作成をなくすと同時に、品質の標準化を図ることができます。

 こうしたことをGoogle Cloud のAPIを利用して実現した例が、スウェーデンの家具量販店イケアです。同社のマーケティングチームは、AIにWebサイトを訪れる顧客の振る舞いを学習させ、最適なレコメンデーションを行って成果を上げています。

ビジネス強化からSDGsまで
AIで新たな価値の創造を支援

――AIファーストを推進するうえでのポイントは何でしょうか。

メナード重要なのは、企業文化を変えることです。例えばコンタクトセンターにAIを取り入れて業務を効率化する場合、中には仕事を奪われると考える人がいるかもしれません。これは10年ほど前にクラウドを使うかどうか迷っていたのと同じです。正しく理解して文化を変えていく必要があります。

 そのためには成功の積み重ねが必要です。当初抵抗があっても、成功することがわかれば文化は変わっていきます。最初は、小さいけれど意欲があるチームにAIを導入させて、そのプロジェクトを成功に導ければ文化は変わります。素早く実践し、失敗して、それでもチャレンジし続け、そこから学ぶといったことの繰り返しが大切です。

――最後に、企業の意識が高まってきたサステナビリティーに関しても、AIは貢献できるとお考えでしょうか。

メナードAIはクラウド上で利用することができて、地理的な制約がないことが大きな強みです。オンプレミスでは難易度の高かった、複数拠点にまたがった可用性の高いシステムを容易に構築可能です。ある地域でビジネスクリティカルな事象が発生しても、システムは継続して稼働させることが可能であり、それは企業としての強靭性も高めてくれます。加えてGoogle Cloud自体が徹底した省エネを図っているので、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献することができます。AIファーストであることは、ビジネス効率を高め、企業に持続的成長をもたらします。企業のAI活用を支援するために、私たちは、人材、研究、AI技術に対して継続的に投資していきます。Google CloudのAI技術を、より多くの企業の課題解決に役立てていただきたいと考えているからです。

(※)ソフトウェア同士が情報をやり取りする際に使用するインターフェースのこと。

Google Cloud
クラウド AI・インダストリーソリューションズ
プロダクト・マネージメント・ディレクター
アーワン・メナード(Erwan Menard) 氏

Googleの移行プログラムRAMP、アプリケーション近代化プログラムCAMP、データセンター変革へのアプローチを開発したグループ「Google Cloud Solution Engineering」を構築したリーダーの1人。現在はAIを含む製品およびソリューションのポートフォリオの製品管理における全てのアウトバウンド面を管理している。

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