提供:Google 協力:日経BP 総合研究所

THE NEXT X 変革の扉

テクノロジーによる社会の未来への貢献を目指すグーグル。
「AI の力で解き放とう、日本の可能性」というビジョンに基づく日本における取り組みを紹介する

Google Cloud VP Global AI Business & Solutions フィリップ・モイヤー 氏
Vol.19

生成AIを数多くのアプリに組み込み
社会のイノベーションを加速させる

Google Cloud
フィリップ・モイヤー 氏
生成AI(人工知能)を活用する取り組みは個人、企業、行政、社会のそれぞれのレベルで着実に広がりつつある。前回(第18回)は本格展開に向けて正確性を担保するための試みについて、いくつか事例を挙げて紹介した。では、こうした取り組みを見せる利用者をGoogleはどのように支援していくのか。Google CloudでAIビジネス&ソリューションズを担当するバイスプレジデントのフィリップ・モイヤー氏に聞いた。

技術、ノウハウ、エコシステムで
企業の生成AI活用を支援する

Google Cloud
VP Global AI Business & Solutions
フィリップ・モイヤー

――企業や行政で生成AIを活用しようという動きが活発化しています。これに対してGoogle Cloud は、利用者をどのように支援していきますか。

モイヤー主に3つの側面から支援していきます。まず、実践に役立つテクノロジーやツールを数多く開発して利用者にとっての選択肢を増やすこと。次に、Google Cloudのチームが企業や行政と一緒に生成AI開発に取り組む協創を促すこと。3つ目がサービスプロバイダーやソフトウエアベンダーと連携して生成AIのエコシステムを拡大することです。このエコシステムの拡大は、利用者に安心感をもたらします。普段からお付き合いしていて、自分たちの業務や企業風土をよく知っているパートナー企業から生成AIを調達できるようになるからです。

――日本でも複数のパートナー企業との提携を発表していますね。

モイヤーパートナー企業の関わり方、生成AIの提供の仕方は様々です。生成AIをビジネスにどう生かすかをフルサポートすることもありますし、Google AIのAPIの使い方だけを支援するケースもあります。丸紅情報システムズやベルシステム24との提携のように、すでにあるコールセンターのソリューションと一緒に提供する場合もあります。アクセンチュアやデロイト トーマツ コンサルティングのようなコンサルティングファームとの提携も積極的に行っており、エコシステムは急速に拡大しています。

パーソナルな生成AIが
仕事のやり方を変える

フィリップ・モイヤー 氏

――利用者が生成AIを活用するうえでのハードルはどこにあるのでしょうか。

モイヤー一般的な活用を広げていくには、まず使いやすいツールが必要です。GoogleではBardや生成AIを活用した検索サービスを提供していますが、Google Workspaceのプロダクトにも生成AIを組み込んでいます。それがメールや文書、プレゼンテーション資料などの作成作業を支援する「Duet AI」です。

 2023年5月にはコーディングの際に読みやすいコードを提案したり、チャットでの質問に答えたりする、Duet AIの開発者向け機能を発表しました。8月には運用担当者やデータ実務者、セキュリティー担当者なども、Google Cloud全体の幅広いプロダクトとサービスでAIの支援を受けられるようになると発表しました。例えばGoogle ドキュメントでは、数年の経験を持つマネージャーが作成するようなクリエーティブな文章や専門性の高い文書づくりをAIが支援します。Google スプレッドシートでは自動的にデータを構造化したり整理したりできるようになりますし、Google スライドでは内容に合った効果的な画像をAIが提案してくれるようになります。

 Google Meetでは、生成AIが会議の内容を要約したり、内容に応じたアクションのアイデアを提案したりしてくれます。さらに、出席できない人の代わりに生成AIが会議に出席してサマリーを共有するといったことも可能になります。それぞれの仕事に合わせて最適な形にパーソナライズされた生成AIが提供されることで、一人ひとりの専門性を高めてくれることを目指しています。

――そうなると人間に求められる役割や能力も変わってきますね。

モイヤー昔のチェスのチャンピオンはAIと腕を競いましたが、今のチャンピオンはAIの支援を受けて腕を磨きます。それと同じようにAIが人間の仕事をいろいろな形で手助けしてくれますから、必然的に働き方も能力レベルも変わっていくでしょう。

 まず、繰り返し作業はAIが担うようになります。すでにフランスの大手スーパーマーケットのカルフールでは、同社ポータルサイトへのアクセス数を増やすために、AIを使って集客に効果的なコンテンツ作成に取り組んでいます。

 教育の分野ではAIを学びの支援に活用することで、専門性が高いスキルを短期間で身に付けられるようになります。コールセンターにおける新規に採用したエージェントへの教育や、看護師の教育などにも役立つでしょう。

 生成AIを仕事で活用し始めている人の8割から9割が、仕事の満足度が向上したと答えています。例えば金融グループのHSBCは、マネーロンダリングの予備調査を生成AIに任せることで人間は重要なところだけを見ればよくなり、担当者の満足度が向上しました。

マルチモーダルな活用で
生成AIのレベルアップを

――今後Google Cloudはどんなところを強化していくのでしょうか。

モイヤー2023年は20の製品を世に送り出し、それによってイノベーションが加速しました。12月にはマルチモーダル対応の生成AIモデルであるGeminiを発表し、Google Cloudで提供を開始しています。現在は、テキストだけでなく写真や映像、音も一緒に扱えるマルチモーダル対応に注力しています。今年はアプリケーションをマルチモーダルにも対応させます。これにより、建設や保険、医療などの領域でいいユースケースが生まれると期待しています。例えば遺伝子と病理を画像で理解することで、患者の質問により的確に答えられるようになります。建設中のビル工事の進捗状況も、映像を使うことでより正確に管理できます。小売業でも、動画から客の動きを分析し商品の売れ筋をより正確に把握できるようになります。

 昨年の生成AIブームの後押しもあり、今後AIの活用は急速に広がっていきます。Google Cloudはそれを加速させるための技術開発・利用者支援に注力し、より良い社会の実現に貢献していきます。

フィリップ・モイヤー氏

Google Cloud
VP Global AI Business & Solutions
フィリップ・モイヤー(Philip Moyer) 氏

Google CloudのグローバルAIビジネス担当副社長。金融テクノロジー企業のCEOなどを務めた後、マイクロソフトでグローバル顧客チーム、業界チーム、サービス組織を管理。その後、AWSで金融サービスのディレクター、Googleの戦略産業チーム(金融サービス、ヘルスケア、小売、通信、M&E、ゲーム)運営などを歴任した。

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