提供:Google 協力:日経BP 総合研究所

THE NEXT X 変革の扉

テクノロジーによる社会の未来への貢献を目指すグーグル。
「AI の力で解き放とう、日本の可能性」というビジョンに基づく日本における取り組みを紹介する

Google Cloud VP&GM、Cloud AI サウラブ・ティワリー 氏
Google Cloud サウラブ・ティワリー 氏 Google Cloud VP&GM、Cloud AI
Vol.30

あらゆる業種にAIによる自律化が浸透
カギ握るAIエージェントの管理基盤

Google Cloud
サウラブ・ティワリー 氏
生成AI(人工知能)によって業務を自動化するAIエージェントへの注目度が高まる中、各社からAIエージェントのプラットフォームサービスが提供されている。AIの領域をリードしてきたGoogle Cloudも2024年12月に「Google Agentspace」を発表した。どのような機能を持ち、何を実現していくのか。Google CloudのCloud AIの責任者であるサウラブ・ティワリー氏に話を聞いた。

AIの統合プラットフォームを提供
オープン型と垂直統合型の2通りで

サウラブ・ティワリー 氏
Google Cloud
VP&GM、Cloud AI
サウラブ・ティワリー

――AIエージェントが注目されています。Google Cloudの取り組みの特徴はどんなところにあるのでしょうか。

ティワリー私たちはAIエージェントに関して利用者の意向に合わせて2通りのアプローチをとっています。一つはあくまでもオープンな環境を提供すること。もう一つは垂直統合型のサービスとして提供することです。

 Google Cloudはオープンな技術として、高度なエージェントをモデルやクラウドを問わず簡単に開発・提供可能なAgent Development Kit(ADK)とよばれるフレームワーク、エージェントの提供会社を問わず、エージェントを連携させるAgent2Agent、そして、それらの本番環境の運用を楽にする実行環境であるAgent Engineなどを提供していますが、Googleの技術だけの環境を強いることはありません。

 これに対して垂直統合型では、一つの画面で必要な情報を全て把握できるシングルペイン・オブ・グラスを提供します。今、最も成長している「Google Agentspace」はそれを実現するプラットフォームです。ポイントは3つ。全てのSaaSを利用できること、Geminiのチャット機能の環境を提供すること、そしてあらゆるAIエージェントを実装できることです。

 AIエージェントはGoogle Cloudが提供するものだけでなく、お客様独自でノーコードで作成したもの、開発キットで作成したもの、Google Cloudのパートナーからマーケットプレイスで入手したもの、どれも利用できます。Google Agentspaceは、これらの機能に加え、セキュリティーやプライバシーの観点を含めたデータやファイルへのアクセス権限管理機能などを備えています。

組織内のエージェントを一元管理
AI活用をセキュアかつ手軽に

サウラブ・ティワリー 氏

――Google Cloudが提供するAIエージェント関連サービスとしては、Google Workspace with Geminiもあります。Google Agentspaceは、どんな点が異なるでしょうか。

ティワリーGeminiはGoogle Workspaceに特化したアプリケーションです。一方で、Google AgentspaceはGoogleアプリ以外のMicrosoft 365やSalesforceなどのSaaSとも連携が可能です。相互に乗り入れて利用することでエンタープライズコンピューティングのあり方を再創造するきっかけになるでしょう。

――Google Agentspaceによってどんなメリットがもたらされるのでしょうか。

ティワリー例えば、組織の中で利用可能な全てのAIエージェントを俯瞰できるので、エンドユーザーが、自分が使えるエージェントを容易に知ることができます。このため、機能的に重複するようなAIエージェントをあちこちで開発してしまうような無駄を防げます。反対に、利用範囲を限定し、対象外のユーザーには見えないようにすることもできます。

――ノーコードでエンドユーザーがAIエージェントをつくれるようになると、業務プロセスごとにエージェントができてしまう可能性があります。エージェントごとに品質がばらつくかもしれません。また、ソフトウェアの仕様書などはなく、修正・更新が困難なエージェントが多数存在してしまうといったリスクもありそうです。

ティワリーもちろん、Google Agentspaceでは、そうした点を踏まえたAIエージェント管理の機能を備えています。ノーコードでつくったものはそのユーザーだけが使えるように制限されていますが、企業として有効なものであれば申請ベースで他のユーザーが利用できるように変更できますし、権限のないデータにはアクセス申請を行えるよう認証機能を提供し、AIエージェントに不備があっても問題ない機能になっています。

複数のAIエージェントが連携
判断を含む複雑な業務を自動化

――今後、AIエージェントはどのように発展していくのでしょうか。

ティワリー様々なフレームワークでつくられたAIエージェント同士を相互に連携させることにより、複雑な業務に対応できるようになっていきます。業務フローをタスクに分解し、それぞれのタスクの順序、条件分岐などをシナリオにしておけば、タスクにひも付けたAIエージェントが状況を判断し、処理内容を決定して、シナリオに応じて次にタスクをこなすべきエージェントに業務を渡していく、といったイメージです。これを可能にするのがAgent2Agentという機能です。

 例えばキャリア採用の社員を迎える場合、入社時には給与振込、PCなどの貸与、アカウント発行とパスワード設定、各種のガイダンス・研修の手配など、様々な手続き(タスク)が必要になります。正社員、契約社員、アルバイトなど従業者の属性によって必要なタスクや順序は違ってきますが、この従業者属性の違いをエージェントが認識し、必要なタスクを判断する、といった仕組みを実現できるわけです。

 AIはハイスピードで進化しています。今もなお発展途上で、日々新たなイノベーションを支えています。一例がマルチモーダル。ある企業は、Geminiに工場内のモーターの音を聞き取らせています。モーターが発する音の微妙な変化をGeminiがエキスパートのように聞き分け、故障や不備が発生する兆候を捕捉する仕組みです。

 このように、Google Cloudはその進化をGoogle Agentに反映し、今までになかったリッチな体験を実現できるようにしていきます。AIは人間の持つ可能性を最大限に増幅してくれるはずです。Google Cloudは可能な限りそこに貢献していきます。

サウラブ・ティワリー 氏

Google Cloud
VP&GM、Cloud AI
サウラブ・ティワリー(Saurabh Tiwary)氏

Google CloudのCloud AI担当VP&GMとしてVertex AIやビジネスアプリケーションプラットフォーム(ApigeeやAppSheetなど)、AIデベロッパー向け製品(Kaggle、Colabなど)を牽引。また、外部のデベロッパーによるGeminiやGemmaの活用促進に向けてGoogle DeepMindチームと緊密に連携している。

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