
――DXの現状をどのようにみていますか。
ザベリーDXは多くの企業にとって重要なテーマになっています。俊敏性の向上、業務の効率化、競争力強化など様々な面で価値をもたらすと認識されています。DXのペースはますます加速していますし、このトレンドはこれからも続いていくでしょう。
目指す変革を素早く成し遂げるには、ビジネスプロセスを熟知した社員による内製でのシステム開発がポイントになります。ただ、需要が高まっているにもかかわらず、社内でシステム開発ができる人材は不足しています。
そこで求められるのがシステム開発の民主化です。プログラミングなど高度なITスキルを持たない一般の社員(シチズン・デベロッパー)がシステム開発に参画できれば、新しい価値を生み出すチャンスはぐっと増えます。外部に頼らず内製でシステムを開発できるため、変革のスピードも上がります。
そうしたシチズン・デベロッパーを増やすうえで鍵になるのが、ノーコード開発ツールの導入です。Google Cloudは「Google AppSheet」をはじめ、いくつもの開発ツールを提供しています。
――システム開発を民主化する場合に重要なポイントはありますか。
ザベリー重要なのはガバナンスです。具体的には、どこで、どのようなシステムが動いているか、セキュリティー上の問題はないか、不具合など問題が発生した場合の対策は講じられているかといった、実態の把握と管理です。ガバナンスがおろそかになると、情報セキュリティーや事業継続性といった観点からのビジネスリスクを招く恐れがあります。企業はシステム開発・運用のポリシーを明確にしたうえで、シチズン・デベロッパーに開発の機能と資源を提供し、イノベーションのアクセルを踏み込まなければなりません。
Google Cloudは、企業のDX推進を後押しすべく、アーキテクチャー設計やプロトタイプ開発などをサポートする内製化支援プログラム「TAP(Tech Acceleration Program)」を提供しています。同時に、システムの民主化のために、ノーコード開発の支援、ベストプラクティスの共有、セキュリティーの強化、そしてポリシーマネジメントまで、お客様のDXジャーニーをトータルで支えます。

――シチズン・デベロッパーを支援するツールはどのように進化していくのでしょうか。
ザベリー進化のポイントは使いやすさです。セルフサービス機能を強化し、より直感的に開発・活用しやすい環境を整えていきます。さらに企業ごとのポリシーとビジネスプロセスを理解したうえで開発を自動化できるようにもなります。そうやってシチズン・デベロッパーが増え、システム開発の内製化が浸透すると、ビジネスプロセス自体を見直すきっかけも増えるでしょう。
――技術的なブレークスルーはあるのでしょうか。
ザベリー最も大きいのはAI(人工知能)の進化です。ノーコードツールもAIで自動化されていますし、セキュリティーもAIで強化されています。GmailをはじめとするGoogle WorkspaceもテキストをオートコンプリートするなどAIで効率化されています。そこではAIベースのサービスで培ってきたノウハウが生かされています。さらにサンプルデータからアウトプットを自動的に生成するジェネレーティブAIにも取り組んでいきます。
――ノーコード開発ツールが進化すると、よく言われている、DX人材を育てるリスキリングは不要になるのでしょうか。
ザベリー進化した開発ツールが人間のスキル不足を補ってくれる部分もあるでしょう。ただ、テクノロジーは引き続き進化しますから、コア領域ではリスキリングは常に必要です。リスキリングはDX推進の要となりますし、Google Cloudもその支援を強化しています。
――DXを常にアップデートしていくためにはどのような考え方が必要でしょうか。
ザベリー新しい技術が次々と生まれてきますし、ビジネス自体も変化していきます。企業間のつながり方やサプライチェーンも常にアップデートし続けなければなりません。フェーズを設定し、それぞれの段階で最適な状況を整えていく必要があります。
DXには複数のフェーズがあります。オンプレミス(自社運用)からクラウドへの移行、アプリケーションの統合、レガシーマイグレーション、プラットフォーム再構築などです。TAPを活用することで、DXを加速することができます。さらに上位のトレーニングプログラムやGoogle Cloudの複雑で大規模なシステムを経験してきたSEやカスタマーエンジニアによる支援も提供し、継続的にお客様のDXに伴走していきます。
――最後に日本企業にメッセージをお願いします。
ザベリー私にとって今一番エキサイティングなことは、Google Cloudのプラットフォームをいかに利用しやすい形で提供できるかということです。AI、パフォーマンス、スケーラビリティー、可用性など、Google Cloudが培ってきたノウハウをノーコードツールなどの形でも提供することで、IT部門だけでなくシチズン・デベロッパーも含めた幅広い人たちにとってより使いやすくしていくこと、それが私の使命です。今後ともご期待ください。

Google Cloud
VP/GM and Head of Platform
アミット・ザベリー(Amit Zavery) 氏
Google Cloudのプラットフォーム責任者。以前はOracle Cloud Platformおよびミドルウェア製品のエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務め、多くの業界イベントに登壇し、顧客、報道機関、アナリストからエンタープライズ・ソフトウェアのソートリーダーとして認められている。
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