提供:Google 協力:日経BP 総合研究所

THE NEXT X 変革の扉

テクノロジーによる社会の未来への貢献を目指すグーグル。
「AI の力で解き放とう、日本の可能性」というビジョンに基づく日本における取り組みを紹介する

Google Cloud AI ディレクタープロダクト マネージメント アーワン・メナード 氏
Google Cloud アーワン・メナード 氏 Google Cloud AI ディレクタープロダクト マネージメント
Vol.23

あらゆる場面に“エージェント”が浸透
誰もがAIの恩恵を享受できる世界に

Google Cloud
アーワン・メナード 氏
生成AI(人工知能)は登場以来、センセーションを巻き起こし、さらに進化を続けている。AIのリーディングカンパニーであるGoogleも「Google Cloud Next」や「Google I/O」などで矢継ぎ早に新技術を発表してきた。企業は、この変化をどう捉え、成果を上げるためにAIとどのように向き合い、何をすればいいのか。Google CloudのCloud AI ディレクター プロダクト マネージメント、アーワン・メナード氏に話を聞いた。

AIを取り入れる際に
大切な4つのポイント

――生成AIが急速に進化し、利用環境もますます充実してきています。今、市場全体としてはどのような変化が起きているのでしょうか。

アーワン・メナード 氏
Google Cloud
AI ディレクター
プロダクト マネージメント
アーワン・メナード

メナードAIが実際のビジネスの中で利用されるようになっています。AIを使ったサービスがデモ環境から本番環境に移行しつつあり、企業内でのAI活用も広がりつつあります。また、ハードウェア、ソフトウェアなどあらゆるレイヤーでイノベーションがハイペースで進んでいることにも注目しています。

 企業がAIを取り入れていくには4つのポイントがあります。まず、利用環境としてAIモデルや各種ツール、ハードウェアなどを多様な選択肢の中から適切に選ぶこと(オプショナリティー)。AIの利用環境は日々進化していますから、効果を得られるように常にバランスを考えて選択する必要があります。2つ目は社内のデータを活用することです。例えばAIモデルが社内用語で回答できるようになれば、新入社員の教育に利用しやすくなるなど、社内データを活用することでAIの価値を高められます。

 3つ目はコストです。日々変化するコスト構造を理解し、正しく評価できる企業はより早く本番環境に移行できます。そして4つ目は、ハルシネーション(虚偽の回答)やコンプライアンス、プライバシーなどの課題に対して企業レベルの十分な対応をすること。また、データ保護の観点からも、Google Cloudでは、日本企業に安心してGeminiを利用してもらえるよう、フロントエンドもバックエンドも日本国内で展開予定です。

――技術や製品、サービスが日々変化する中で、柔軟なオプショナリティーを実現するにはどうすればいいのでしょうか。

メナード2つのベストプラクティスがあります。一つは、サービス提供モデル(as a Service)で各コンポーネントを束ねた「キュレーティッドスタック」を利用することです。Vertex AIを活用すれば、異なるベンダーのAIモデルやツールも取り込めます。もう一つは、利用環境を管理する抽象化レベルを上げること。様々な仕組みをゼロから構築する必要はありません。Web検索などでは、あらかじめ用意された機能を使い、後でチューニングすることで抽象化レベルを変えられます。このような機能を柔軟に取り入れて効果を引き出すことがポイントです。

AIエージェントの活用で
システム利用が加速する

アーワン・メナード 氏

――どのような業種や業界でAIがうまく活用されているのでしょうか。

メナード従来のイノベーションとの大きな違いは、生成AIは規制の厳しい業界でも利用が加速していることです。

 例えばあるメディアでは、視聴者の興味・関心に合わせて広告を表示させるターゲティング広告配信にAIを活用して業務の効率化を図っています。コンテンツの内容を分析し、それに合ったコンテンツを検索する「AIエージェント」によって実現しています。この仕組みを、プロトタイプ開発から数週間で本番環境に移行できました。データと戦略とビジョン、適正なパートナーによって価値を生み出した好例です。

 顧客体験を向上させたい金融サービスの領域では、まず銀行員をアシストすることからAI活用を始めています。虚偽の回答の確認や回答の質、問題の有無を確認するとともに、銀行員のトレーニングにもなっています。医療サービスの領域でも、入院患者に対するチーム間での引き継ぎ業務に会話型AIを駆使し、生産性やケアの質を向上させてリスクコントロールを行っています。金融や医療といった分野は、セキュリティー、プライバシー、倫理という点からの適切な対応が特に重要になります。全てに対する正解がわかっているわけではありませんが、一つひとつ慎重に進められています。

――エージェントはどのような価値を提供するのでしょうか。

メナードインプットされた情報に対してAIがアクションを起こすのがエージェントです。例えば、休暇の手続きをとったり、旅行の計画を立てて予約をしてくれるといったものでは、エージェントを導入することで、本来は複雑かつ煩雑な作業を簡略化・省力化できます。

 エージェントは様々なシーンに適用でき、多くの人がソフトウェアを熟知することなく複雑な作業をこなせるようになります。エージェントが文脈や状況を理解し、文字だけでなく、音声や映像も使って答えを返してくれるといった、各種のエージェントが、あらゆる場面に広がっていくでしょう。

想定されるユースケースを
全て実現していきたい

――全て知らなくても利用できるようになると、AI人材はそれほど必要なくなるのでしょうか。

メナード確かに専門家でなくても使える技術は整いつつありますが、AI人材にはプロンプトエンジニアリングやAIモデルの評価と選定、エージェントとエージェントを組み合わせるアーキテクチャーの開発など、新しいスキルが求められるようになります。実際に財務やマーケティングを熟知し、かつAIを使いこなせる人材は奪い合いが起きています。Googleはベストプラクティスを公表し、無料のトレーニングの提供、プロンプト戦略のためのアシスタンス支援など人材開発のサポートをしています。

――今後はどのようなビジョンでAIソリューションを提供していくのでしょうか。

メナード大きなビジョンというより、今後はさらに広範囲にわたってAIをリアルなビジネスで使ってもらいたいと考えています。そのために私たちは想定されるユースケースを充実させることに注力していきます。

アーワン・メナード 氏

Google Cloud
AI ディレクター
プロダクト マネージメント
アーワン・メナード(Erwan Menard)氏

Google Cloud AIにてVertex AI Platform(Model Garden、Model Builder、Agent Builderなどの生成AI製品群)を含むGoogle Cloudの(生成)AI製品ポートフォリオの全てのアウトバウンドを管理。また、トップクラスの顧客やパートナー アカウントに対する製品グループ サポートの指揮役も担っている。

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