肥後銀行
地下水保全で地域の持続的発展に貢献
地下水が欠かせない資源である熊本において肥後銀行はその保全を継続的に支援してきた。
産官学民での取り組みなどをさらに広げ、地下水保全への活動をより一層強固なものにする。
肥後銀行は約40年にわたり、水資源の保全活動を継続的に支援してきた。熊本市は市民が使用する水道水のすべてを地下水で賄っている日本で唯一の政令指定都市となっている。地下水は人々の暮らしだけでなく地域経済を支える重要な基盤であり、地下水を守ることは同社にとっても単なる環境保全を超えた重要な経営課題だ。
活動の原点は1987年に創設した「肥後の水資源愛護賞」だ。高度経済成長期以降、都市化や土地利用の変化、森林の荒廃などにより地下水の量と質の維持が課題となっていたため、水資源保全を促進するために設立した。その後、90年には「肥後の水とみどりの愛護基金」も設立した。
2006年には阿蘇北外輪の森林を購入して「阿蘇大観の森」と名付け、植樹などの活動を通じて地下水の涵養を促す森林づくりや阿蘇草原の保全活動を実施している。11年からは阿蘇地域の耕作放棄地を棚田として再生する活動にも取り組んでいる。肥後銀行の従業員やその他の企業・団体が伝統的な手法による環境配慮型の農業を実践。稲作期間中に24.5万立方メートルの地下水を涵養するとともに、生物多様性の回復にも貢献しており、26年3月に自然共生サイトに認定された。
肥後銀行の大野隆地域振興部長は「ネイチャーポジティブという言葉がない時代から進めてきた取り組みが現在につながっている」と話す。
「雨庭」で治水と地下水涵養
また、流域の治水と地下水の涵養を両立させるための取り組みも進めている。20年の「令和2年7月豪雨」を契機として21年に始まった産官学民連携の「共創の流域治水プロジェクト」に、肥後銀行は幹事機関として参加している。プロジェクトでは球磨川上流域の森林整備や中流域の河川管理、都市部での「雨庭」を組み合わせて、洪水リスクの軽減を目指す。
雨庭とは降った雨水を一時的に受け止める緑地などを指し、洪水調節機能のほか地下水の涵養や生態系の回復、環境教育の推進といった機能も持つ。肥後銀行は熊本県内での雨庭普及を目指し組織された「くまもと雨庭パートナシップ」の協力機関として導入支援などにも取り組んでいる。
こうした水資源保全の取り組みをさらに発展させるため、肥後銀行は熊本県立大学、熊本大学、サントリーホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスと共に一般社団法人熊本ウォーターポジティブ・デザインセンターを設立した。雨庭の導入支援や地下水の涵養効果の可視化、地下水涵養量等の価値のクレジット化、様々なステークホルダー間のネットワークづくりなどに取り組む。
今後、活動に賛同する会員も増やしていく計画で、水と自然を守るより強固なエコシステムを育て、引き続き地域の未来を創造していく。
(出所:肥後銀行)