明治ホールディングス
土から酪農を変え、食の未来を支える
牧草地の土壌の健康を高め、酪農家の経営と生態系の再生を同時に支え、現場から変革を進める。
GREEN×EXPO 2027で、環境再生型の農業を中心に、食と自然の関係を体験へ変える発信を行う。
明治ホールディングスは、ネイチャーポジティブをサステナビリティ戦略の中核に置く。明治グループの事業は生乳、カカオ、微生物(菌)といった自然の恵みに立脚する。自然資本の劣化は酪農の持続性を揺さぶる事業課題だ。
2024年3月、ネイチャーポジティブ宣言を制定。カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、生態系の保全・再生を三位一体で進める。焦点を当てるのが、酪農の現場から土壌を健全にする「環境再生型の農業」である。サステナビリティ推進部長の森田次郎氏は「当初は土壌の炭素貯留によるスコープ3削減が目的でしたが、今は、酪農家の経営改善や当社の調達レジリエンスを高める取り組みとして、エビデンスを集めています」と話す。
実践の場が「道東カーボンファーミング研究会」だ。明治ホールディングスと道東サステナブル農業推進機構が設立し、23年度から酪農牧草地で実証を進めている。具体的には堆肥散布、カバークロップなどの効果を検証するために、土壌の微生物量や炭素貯留量の変化を確認した。
サステナビリティ推進部サプライチェーングループ専任課長の奥田浩之氏は「直接的に酪農家の声を聞きながら、できることを一緒にやっている点が特徴です」と言う。化学肥料やエネルギー代の高騰は酪農経営を圧迫する。土壌を整え、牧草の健全な成長につなげることは、環境対策であると同時に経営の足腰を強くする取り組みでもある。
GREEN×EXPOで発信
この取り組みを社会に発信する場が、27年3月19日から横浜市で開かれる国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」だ。「ORAGA VILLAGE ~未来のふるさと~」と銘打ち、自然の恵みから事業を営む企業として、「再生」をコンセプトに掲げる。
展示では、同社のキャラクター「カールおじさん」の世界観を生かし、環境再生型の農業を、子どもたちにも理解しやすい体験へ落とし込む。牛乳パックの再生素材を活用した展示空間ではプロジェクションマッピングを用い、気候変動が環境に与える影響と、酪農やカカオ産地での取り組みを伝える。食体験として、環境再生型の農業由来のチーズ、アグロフォレストリー由来のチョコ菓子なども販売する。
森田氏は、GREEN×EXPOを「社会に対して発信していく一つの場」と位置付ける。自然資本を守ることは、原料を守ることであり、地域の生産者を支えることでもある。明治グループのネイチャーポジティブは、牧草地の足元から始まっている。
ネイチャーポジティブ実現に向けた“考え方”
(出所:明治ホールディングス)