セブン&アイ・ホールディングス
農産物の「持続可能な調達」に挑む
事業と自然への影響が大きい農産物について持続可能な調達を拡大する挑戦を続ける。
大規模なコーヒー豆農園の再生農業を支援するとともに、水素焙煎コーヒーの商品化も進めた。
セブン&アイ・ホールディングスは2019年に策定した環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」の下、脱炭素社会、循環経済社会、自然共生社会の実現に向けた取り組みを続けている。自然共生社会の実現については「持続可能な調達」の推進を表明し、30年にはオリジナル商品で使用する食品原材料の50%を持続可能性が担保された材料にする目標を掲げている。
まずグループの全事業会社と上流から下流までの関連サプライチェーンを対象に、事業が自然とどのように関連しているかを調査した。自然への依存と影響の2軸でマッピングした上で、インパクトが大きい農産物に焦点を当てることを決めた。特に取扱量が多く自然との関連が深いコーヒー豆と米の2原料を対象とし、自然への依存と影響を詳細に評価した。
ブラジルで再生農業を支援
コーヒー豆については、セブン-イレブン・ジャパンによる調達割合が高いブラジル、コロンビア、タンザニア、グアテマラの4カ国を対象に、調達地ごとの生態学的特性と事業特性を整理するとともに、森林の消失度合いや水リスクなどを調査した。気候変動や規制強化などの外部環境分析との組み合わせで、収量減少リスクが特に大きいことや、土地の環境破壊や権利侵害を伴う方法で生産されたコーヒー豆調達によるレピュテーション低下のリスクがあることなどを把握した。コーヒー豆が調達困難となった50年の悲観シナリオでは年間495億円の売り上げが減少すると試算している。
安定調達に向けた取り組みの1つとして、ブラジルでコーヒー豆農園の土壌改善と再生に乗り出した。コーヒー豆農園が進める再生農業に支援金を出す形で、イネ科の「ブラキアリア」などを作物の隙間で育てて土壌の保湿性を高める「カバークロップ」と呼ばれる手法を約2000ヘクタールの農地に適用した。収量の増加や化学肥料の使用削減などの効果を見込んでいる。
環境への配慮と付加価値の向上を両立する試みも進める。25年10月に発売した「水素
地域の農家の活性化活動も続けている。全国257の自治体との地域包括連携協定を結んでおり、例えば熊本では地域の農産物を使った商品を企画する授業を小学校で行うなど食育活動に取り組んできた。「阿蘇高菜」を使ったおにぎりなどを商品化し、熊本地域で実際に販売した。「信頼される、誠実な企業でありたい」という社是の下、持続可能な成長と持続可能な社会の構築に向けた取り組みを続けていく。
ブラジルではコーヒー豆農園の再生農業に取り組み、持続可能な調達につなげる。25年に発売した「水素焙煎コーヒー」では環境への配慮と付加価値の向上の両立を目指した
(出所:セブン&アイホールディングス)