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GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPAN

企業取り組みメッセージ

2030年までに自然の損失を止め、回復へと転じるという世界の約束の期限が、目前に迫っている。
GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPANには、数多くの民間企業も参加し、ネイチャーポジティブの実現には企業の取り組みが欠かせないと同時に、豊かな自然を取り戻すことは企業価値の向上に直結していることが明確になった。
ネイチャーポジティブの実現をリードしている先進企業の取り組みを紹介する。

日本郵船

「海を支える」企業へ

海洋を航行して物資を運ぶ「海を使う」企業から、海の自然資本を守る「海を支える」企業へ。
科学的な調査・分析、国際的なルールメイキングへの参加、現場での行動の3本柱で取り組む。

世界の貿易量の8~9割を支える国際海運は、海という自然資本に大きく依存する事業といえる。海洋の健全性の確保は、事業活動に不可欠となる。

日本郵船は、脱炭素と海洋環境の保全を表裏一体と捉え、ネットゼロ(温室効果ガスの排出実質ゼロ)とネイチャーポジティブ(自然再興)の同時実現を掲げる。ネイチャーポジティブの実現に向けて、科学(現状把握)、ガバナンス(ルールづくり)、行動(現場での再生)の3本柱で取り組みを進めている。

海を理解することが出発点

起点となるのは科学だ。2024年1月に自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に賛同し、アーリーアダプターとして登録されている日本郵船は、TNFDレポートを24年版から発行している。自然資本に対する依存と影響を評価するフレームワークであるLEAPアプローチに沿って事業活動で特に注意が必要な海域を特定し、TNFDレポートで開示している。

同社の特徴的な取り組みとしては、環境DNA調査による科学的知見の蓄積が挙げられる。この調査は、海や川などで採取した「バケツ一杯の水」からその水域に存在する生物の種類や分布を明らかにするものだ。

日本郵船は、環境DNAのデータベースの構築に取り組む「ANEMONE(アネモネ)コンソーシアム」(代表:東北大学大学院教授近藤倫生氏)に22年から参画している。運航船を活用して外洋や近海の環境DNAを採取し、これまでに累計296本のサンプルを提供した。その結果は「ANEMONE DB」で公表されている。

ガバナンスでは、海事問題に関する国連の専門機関であるIMO(国際海事機関)への提言活動や、TNFDの海運セクターガイダンス案へのパブリックコメント提出など国際的なルールメイキングに積極的に参画している。

現場での自然保全の活動も国内外で進めている。例えば、愛知県西尾市で23年から藻場の再生活動を支援している。秋田県男鹿市では、25年から養殖藻場の造成事業の支援に着手した。沿岸に人工的な藻場をつくることで、海の生態系の回復と水産資源の再生を図る。

海外では、フィリピンでのサンミゲル・コーポレーションが取り組む現地の河川回復プロジェクトを21年から支援している。5年間で150万ドルを寄贈するほか、浄化用の重機2台を提供した。

海を支える企業として、自然資本の保全活動を推進していく。

環境DNA調査の仕組み

(出所:日本郵船)

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