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GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPAN

企業取り組みメッセージ

2030年までに自然の損失を止め、回復へと転じるという世界の約束の期限が、目前に迫っている。
GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPANには、数多くの民間企業も参加し、ネイチャーポジティブの実現には企業の取り組みが欠かせないと同時に、豊かな自然を取り戻すことは企業価値の向上に直結していることが明確になった。
ネイチャーポジティブの実現をリードしている先進企業の取り組みを紹介する。

MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス

「雨庭」で都市開発と自然の機能を両立

都市の開発で失われる自然の保水・浸透機能をグリーンインフラで補う試みを産学金連携で始めた。
水害や水が利用できなくなるリスクへの認知も広げ、効果的な対策につなげる。

MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスは2026年5月、熊本県立大学、熊本大学、肥後銀行、サントリーホールディングスと共同で、一般社団法人「熊本ウォーターポジティブ・デザインセンター」を設立した。市街地で雨水を一時的に貯留し、ゆっくりと地中に浸透させる機能を持つ「雨庭」などのグリーンインフラを活用し、熊本地域のウオーターポジティブを推進する組織である。

水に恵まれた熊本市は、約70万人の市民が利用する上水道をすべて地下水でまかなっている。そしてここ数年、川や地下水の上流に当たる地域では産業集積による土地開発が進んでいる。雨水が浸透していた場所がアスファルトなどで覆われて直接川に流れ込むようになると、地下水位が低下したり、氾濫リスクが高まる可能性がある。

同社サステナビリティ推進部上席スペシャリストの浦嶋裕子氏は「気候変動で災害の激甚化が進む中、私たちは都市や工業地帯の開発をしながらも自然災害のリスクを下げる方法を見つけなければならない」と話す。

同社らが設立したデザインセンターは、雨庭による流出抑制や地下水涵養かんようの効果測定、雨庭の設置支援などの活動を通じてウオーターポジティブの実現に貢献していく。

流域全体でリスクを見る

7月には「MACHIマチ toツ GREENグリーン」と呼ぶWebコンテンツの提供を始めた。山から都市まで、流域全体の水の動きを再現するアルゴリズムを用いたもので、利用者はゲリラ豪雨や線状降水帯による降雨をシミュレーションしながら「山の間伐」や「都市部での雨庭設置」などの対策が流域治水にどのような影響をもたらすかを学べる。浦嶋氏は「河川だけでなく流域全体で水を管理する必要があることや、そのための対策にどんな効果があるのかを多くの人に知ってもらいたい」と話す。

企業向けに「水リスク」を可視化するサービスも7月に始めた。子会社のMS&ADインターリスク総研などが手掛ける「流域リスクレンズ」だ。拠点で使っている水がどれだけ持続可能なのか、排水時の浄化に問題があった場合にどのようなリスクがあるのか、などを流域の水循環を基に分析することで、企業の具体的なリスク対策を支援する。

浦嶋氏は「適正な保険料で損害保険を提供し続けるためにも、自然の変化に伴うリスクを把握していかなくてはならない」と話す。熊本地域を起点に、水との新たな付き合い方が浸透していく。

自ら対策を試しながら流域治水の重要性を学べるWebコンテンツ「MACHI to GREEN」の画面
(出所:MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス)

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