PR
GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPAN

企業取り組みメッセージ

2030年までに自然の損失を止め、回復へと転じるという世界の約束の期限が、目前に迫っている。
GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026 KUMAMOTO JAPANには、数多くの民間企業も参加し、ネイチャーポジティブの実現には企業の取り組みが欠かせないと同時に、豊かな自然を取り戻すことは企業価値の向上に直結していることが明確になった。
ネイチャーポジティブの実現をリードしている先進企業の取り組みを紹介する。

積水ハウス

住まいの庭を生物多様性再生の起点に

鳥と蝶が訪れる庭を広げ、都市の緑を生息地へ変え、自然との接点を暮らしの足元から取り戻す。
一般向けと専門家向けのホワイトペーパーで、25年に及ぶ「5本の樹」計画の歩みと成果を発信。

積水ハウスは「5本の樹」計画で住宅の庭から都市の生物多様性の再生に取り組んでいる。計画の合言葉は「3本は鳥のために、2本は蝶のために、地域の在来樹種を」だ。その土地の気候風土に合う在来樹種を選び、鳥や蝶が餌場やすみかとして利用できる環境をつくる。一つひとつの庭を地域の緑と結び、生態系ネットワークとして育てることが狙いだ。

「5本の樹」計画は戸建住宅に限らない。賃貸住宅、マンション、オフィス、まちづくりにも広げてきた。26年1月末時点の累積植栽本数は約2143万本だ。積水ハウスは、緑の量だけでなく、どんな木を植え、どんな生きものが利用するかという「緑の質」を重視する。

26年7月、同計画の成果を一般向けと専門家向けのホワイトペーパーとしてまとめ、公開した。一般向けは、鳥や蝶を指標にする理由や在来樹種を植える意味を解説し、専門家向けは、シンク・ネイチャーとの協働による定量評価の手法と結果を詳述する。

環境推進部環境マネジメント室の八木隆史氏は「ホワイトペーパーではなぜ鳥と蝶なのかという問いに、データに基づいて答えています。初めて読む人でも分かるよう、一般向けと専門家向けを分けて整理しました」と説明する。

生息地の機能向上と面積拡大

専門家向けでは建設によって緑量そのものは減る傾向にある一方、地域在来種を選び、鳥や蝶が利用しやすい樹種構成にすることで、生息地としての機能を高められることを示すなど新たな評価を展開。八木氏は「樹種の質を上げることで、生息地面積の拡大に貢献できます」と説明する。

また、建築前後のサンプル比較によって敷地内の樹木の全体種数は27%増え、植栽の恩恵を受ける鳥の種数は67%、蝶の種数は51%増加したことを確認。AOH(Area of Habitat)の変化では、地域在来種が12%、鳥が28%、蝶が20%増えた。緑の価値を、科学的に見える化した。

次の課題は、得られた知見を日々の提案に落とし込むことだ。積水ハウスは「鳥とチョウの餌資源データベース」と「在来樹種の分布地図」を組み合わせ、対象地に適した樹種の組み合わせを算出し提案するツール「5本の樹」コンパスを整備した。設計者が生物多様性への貢献度を確認しながら植栽を検討できる仕組みだ。

住まいは、開発による自然への影響を伴う一方で、生物多様性再生の起点にもなり得る。積水ハウスの取り組みは、庭木の選択という身近な行為を、自然資本経営の実務へ接続した。都市のネイチャーポジティブに貢献する取り組みは、大きな森だけでなく、小さな庭からも始まっている。

「5本の樹」計画の成果を一般向けと専門家向けの2種類のホワイトペーパーとして発行

(出所:積水ハウス)

取り組みメッセージPR