脚光をあびた“葉っぱビジネス”の今!

デジタル導入×地方創生で持続した勝因を探る。いろどり& JA東とくしま

全国的にも珍しいJAと民間企業のコラボレーション

 彩ビジネスにおけるいろどりの役割は、企画・営業・情報発信である。一方、生産物の販売、品質の最終チェック、出荷は、JA東とくしまが担っており、全国的にもかなり珍しい、JAと民間企業のコラボレーションで成り立っているビジネスだ。

 JA東とくしまは、1999年に4JAが合併してできた広域JAで、米、キュウリやオクラなどの野菜、みかんなどの果実が主力商品。高齢化に伴う生産者減などの影響で販売実績は減少が続き、2000年度は50億円を超えていたが、2018年度には約33億円にまで落ち込んでいる。そのなかにあって、2000年度に比べて2018年の売上が140%という最も成長率が高いのが彩商品だ。とはいえ、彩の売上高は約2億4千万円(2018年度)で、全体での比率は決して大きいとはいえない。しかも、彩商品には独特の難しさがあると、JA東とくしま 参事 末廣和彦氏は語る。「例えばキュウリなら、ランクの秀、優、良と、サイズの2L、L、Mくらいですが、彩商品は300アイテム×色×サイズ×パックに詰めるというように非常に種類が多いので、JAでまとめて選果・箱詰めするのは無理です」。そこで、生産者、いろどり、JAの3者による役割分担が大きな意味をもってくる。

写真右から JA東とくしま 参事 末廣和彦氏、同 上勝支社 経済課 吉成智彦氏

生産者、いろどり、JA東とくしま それぞれの得意分野を活かした業務フロー

 いろどりシステムはJAの受発注システムと連動している。JAに入る市場からの注文情報は、彩システムに反映され、生産者は即時に閲覧可能となる。いろどりに直接入ってくる注文についても、システムが連携することでJAで受注処理が可能となる。彩システムを使って受注した生産者は、商品を箱詰めしてJAに持ち込む。その際バーコードリーダーを使ってセルフで納品され、納品データはシステムに自動的に反映される。ただし、生産者が手を挙げる仕組みのため、時に誰も受注しない品目も出てしまう。その場合は、JAが受けてくれそうな生産者に電話をして商品を用意したり、取引先と交渉を行ったりしている。

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JA東とくしま上勝支所には連日収穫された季節の葉が届く

 納品された商品は、JAが品質確認を実施し、納品先別に仕分けし配送する。「日々の品質管理は生産者で行っています。生産者のセンスや品質にもばらつきがあるので、市場にも生産者にも信頼されるには、そこが非常に大切だと思っています」(末廣氏)。

 取引先や生産者との精算業務も、JAの役割だ。彩システムにはその機能がないため、JAでかなり手間をかけて実施しており、彩システムへの機能追加も検討している。一方で、JAが決済に介在することで安心感が担保される役割は大きい。

 末廣氏はビジネスパートナーであるいろどりに対し、「彩ビジネスは、いろどりが先駆的なシステムを導入し、受発注や生産者とのやり取りをシステム化することで成り立っており、それがなければ事業として無理だったでしょう。正直なところJAが営業を担うよりは、横石社長が営業部分をずっと担ってくれていることで、今の実績があると思っています」と評価する。一方の横石氏も、「JAは出荷の現場を持っていることが強みなので、販売と出荷はJAにお願いしています。やはりそれぞれ役割があって、そこは大切にしたい。地方では、特にそれが大事だと思っています」と語る。

問われる20年後のサステナブル

彩ビジネスをいかに後継者へ引き継ぐか、注目していきたい

 大きく成功した彩ビジネスだが、最大の課題は人口減少に伴う生産者減少だ。「現在約150軒ですが、2~3年後には120~130軒になるかもしれません。専業農家には後継者が育っていて、そういう大きい生産者が伸びているので、まだ緩やかな減少にとどまっていますが、右肩上がりにするのは難しい」(横石氏)。また、横石氏が一人で引っ張ってきた感が強い彩ビジネスを、どう後継者へ引き継いでいくのかも、気になるところである。

 合併でできたJA東とくしまは広域にわたることや、事業環境の変化により業務や施設の効率化などを進めるなかで、上勝町という地域で行っている彩ビジネスをどうハンドリングしていくか、考えなければならないかもしれない。
 新たな次の20年をどのように持続成長させるのか。彩ビジネスのサステナブルに注目したい。