隠れた絶品果実でヒット商品を創れ!

~UHA味覚糖×JA全農のWブランド戦略

希少品種ならではの果汁確保と開発の苦労

 商品化でもう一つ重要なのが、果汁の確保だ。限られた地域で、少量しか生産されていない品種は、果汁の確保にリスクが伴う。例えば、天候の影響だ。ハニーローザは収穫期が年に10日程しかないが、今年は収穫直後に豪雨が直撃。少しでも収穫時期がずれていたら確保できなかった可能性があり、冷や汗をかいた。

 希少品種だけに開発の苦労もある。最大の問題は、開発者が生果を食べた経験がなく、どのようにグミに再現すればよいかわからないことだ。例えば完熟かぼすの場合、料理にかける酸味の強いかぼすしか食べたことがなかった開発者は、甘く食べる完熟かぼすの味が想像できなかった。幸いJAが出していたジュースやドライフルーツを頼りに開発が実った。

 もう一つの苦労は、美味しく仕上げなければ生産者に顔向けができないというプレッシャーだという。「例えば鶴姫レッドは、他の赤肉メロンとの違いを感じてもらわないことには、生産者さんにご満足いただけないと思い、慎重に味を決めていきました」(関口氏)。

 こうして開発した商品は、チェーンストアへの提案を経て店頭に並ぶ。企画から販売まで4~5カ月というスピード感は、半年は要すると言われる業界平均に比べると早い。この早さはUHA味覚糖の強みで、JA全農がそれについてきてくれた、と関口氏は感謝する。今年は12月に発売予定の新商品を含め、4商品を発売。今後もこのペースを維持していく予定だ。

 JA全農は、PRの後方支援も実施。広報活動を行うチームがSNSで発信している。現在は職員による発信のみだが、今後はインフルエンサーや所属アスリートに試食をしてもらうといった試みも実施していく予定だ。

競合にはない魅力的なシリーズを展開する秘訣

 JA全農について関口氏は、「全国から素材を探してくれるので選択肢が非常に多い。短期間に驚くような素材のリストがでてきて、しかも果実の確保までしてくれる。さすがだなと思います」と語る。さらに担当の山田氏の迅速な対応や高いコンサルティング能力を評価。「要求に対して、丁寧かつスピーディーというだけでなく、提案の精度も高まっており、それが売れ行きにもつながっています」と語る。

 一方、山田氏はUHA味覚糖について、その技術力を高く評価する。「希少果実の味覚を忠実にグミに再現するのは、JAグループではできません。両者のコラボによってこそ生まれた商品です。生産者の方に食べてもらうと、その再現性と美味しさに誰もが驚きます」(山田氏)。

 コロロプロジェクト成功のポイントについて、関口氏は、消費者に対して新しいアプローチができたことだと語る。「グミ市場は食感で差別化を図る商品が多い中、日本の厳選されたフルーツを使用することで、これまでと違うマーケットへのアプローチができました。これは我々だけではできなかったと思います」。

グミ市場で、日本の厳選したフルーツを使った新たなアプローチが可能になったという
グミ市場で、日本の厳選したフルーツを使った新たなアプローチが可能になったという

海外展開も視野に入れ、更なるコラボレーションを加速

 シリーズ第4弾として、2020年12月には八丈島の「八丈フルーツレモン」味を発売する予定だ。2021年4月以降に発売する商品についてもすでに開発は始まっている。コロロと生果を店頭でセット販売する試みも検討中だ。

 今後は海外を含め、さらに販路を拡大する計画も考えている。日本の菓子は海外でも好まれ、コロロもアジア圏で人気が高い。海外からの引き合いもあり、2021年は海外展開も視野に製品開発を進める。「コロロの人気に加え、JA全農の名前が美味しさの担保になっているのかなと思っています」(関口氏)。JAグループも輸出に力を入れており、積極的に協力する意向だ。まずはUHA味覚糖が強みを持つ香港あたりがターゲットとなりそうだ。

今後もお客様が求めているものを共同で届けていきたいと2人の思いは熱い
今後もお客様が求めているものを共同で届けていきたいと2人の思いは熱い

 組織の枠を超えてマーケッターとして意気投合した2人。彼らを中心としたコラボレーションチームが次に何を仕掛けてくるのか、これからも目が離せない。