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通知の案内や情報の共有はLINE上で作成したグループ単位。手島氏を例に挙げれば、その数は自ら生産する品目の部会など4~5を数える。通知や情報はこのグループ単位で蓄積されていく仕組み。過去の通知や情報を探すとき、日時をさかのぼろうと画面を何度もスクロールする手間はなく、目当てのものに早くたどり着ける。

LINE WORKSは営農部内のコミュニケーションツールとしても価値を発揮する。
業務用のパソコンが組織内のネットワークであるイントラネットに接続されるのは、一定以上の職位を持つ管理職のみ。JAは金融機関という側面も併せ持つためだ。そのうえ営農指導員は現場に出向くことが多く、業務用のパソコンを日常的に利用する機会は限られる。情報共有の手段は自ずと、スマホ上のLINE WORKSになる。
営農指導員にとっては何より、ベテラン指導員のナレッジ共有に役立つ。「特産園芸課で言えば、営農指導員は20人程度。再雇用のベテラン数人を除けば、大部分は20~30代の若手です。40~50代の中堅がぽっかり抜けている穴を補うという観点から、LINE WORKSのチャット機能は欠かせません」と野口氏は満足げに語る。
管理職からすれば、組織内の情報共有が格段にラクになる。「業務用の携帯電話を利用していた時は、情報共有しようと思ったら一人ひとりに電話するしかなかった。しかし、今では、LINE WORKS上のチャット機能で済みます」(野口氏)。
しかもLINE WORKSは個人向けのLINEと違って、自分が送信したチャットに対してグループ内の誰が「既読」しているかまで表示できる。管理職は自身のチャットへの既読・未読状況を把握しマネジメントに生かせる一方、自身の既読状況を認識されていることが抑制になって職員に行動改善を促す効果も期待できる。
野口氏はLINE WORKS上に作成された全11グループに参加する管理職。さらに、兼業農家としてブロッコリー生産歴30年以上のベテラン生産者でもある。「参加するグループ内のチャットを確認すれば、管内の農産物の生育状況をはじめ、農業生産の現場で起きていることを、全て把握できます。必要に応じて助け船も出します」。
検査の現場からは、トラブル回避に向けた相談が持ち掛けられる。
検査とは、選果基準に対する合否確認だ。ボーダーライン上のものは判断を下しにくい。しかし生産者にとっては、その判断次第で市場出荷できるか否かが決まる。判断結果として誰もが納得できる見解を得られなければ、引っ込みがつかない。
「白ネギなら葉の状況、ブロッコリーなら緩み具合など、選果基準に照らしても判断に困る場合があります。生産者との間でトラブルは避けようと、例えば『このネギ、受け取っていいの?』と、画像を添えて慎重に現場が助けを求めてきます」(野口氏)
導入当初は必ずしも、営農部の職員全員がすぐにLINE WORKSを利用し始めたわけではないが、徐々に日常的になってきた理由は、利便性に尽きる。「当初は使い方の勉強会を開いたりもしましたが、個人向けLINEの使い方とそう大きくは変わらないため、詳しく説明しなくても理解してもらえるのでは、と気楽に構えていたほどです」と野口氏は振り返る。
だからこそ、実際に利用してみる中でLINE WORKSの利便性を感じる機会は自ずと生まれていく。野口氏が挙げる便利さの一つは、パソコンとの連携のしやすさ。「パソコンで作成したファイルをLINE WORKS上ですぐに送信できます。この連携の良さは個人向けのLINEにはない魅力。パソコンのメーラーと同じ感覚で扱えます」。

こうした利便性の積み重ねの中、LINE WORKSはいまや組織内の情報共有に不可欠なツールになってきた。「かつては生産者のほうから、デジタル環境を早く整えてほしいと要望を受けるほどでした。いま業務用のコミュニケーションツールをスマホに切り替え、それに併せてチャットツールとしてLINE WORKSを導入したことで、デジタル化に向けた第一歩を、ようやく踏み出せました」。野口氏は現在地を見据える。
JA鳥取西部では、営農部でのLINE WORKS導入以降、農業用資材の注文をインターネット上で受け付けたり、共済部でもLINE WORKSを採用したりするなど、デジタルへの道を突き進む。JA鳥取西部のデジタル化は、ますます進んでいきそうだ。
