スペシャルリポート

スマートコミュニティが成長戦略の鍵に
規制緩和と業界を越えた連携が課題

成長を見据えた規制緩和を

日本総合研究所 執行役員・創発戦略センター所長の井熊均氏
日本総合研究所 執行役員・創発戦略センター所長の井熊均氏

石井:今後、スマートコミュニティ事業を成功に導くためには、どのような要件が挙げられるでしょうか。

井熊均氏(以下敬称略):スマートコミュニティは、重要な成長戦略の1つだと思います。ですから、将来を先取りして規制緩和してほしい。

 例えば、燃料電池を使ったコージェネは、近いうちに発電効率が55%にまで達するようになるかもしれないと聞いています。そうなれば、エネルギーシステムは劇的に変わる可能性があります。そうしたとき、需要者間での熱や電気の融通ができないと、新しい技術を十分に生かせません。

 技術動向などを踏まえ、将来を先取りして規制を緩和し、新たな技術を受け入れる土壌をつくっていく。これが成長戦略だと思うのです。それが、グローバルな展開にもつながる。そうした取り組みをすべきだと考えます。

清水建設 ecoBCP事業推進室長の那須原和良氏
清水建設 ecoBCP事業推進室長の那須原和良氏

那須原:コージェネを導入しても、燃料に使うガスなどエネルギーのコストが高騰すると稼働を止めざるを得なくなります。エネルギー業界の方々には、エネルギーの安価で安定した供給を、ぜひお願いしたいと思います。

 また、再び起こるかもしれない震災に備える意味で、エネルギーのネットワーク化を今後もしっかり推進させていきたいと思います。安全安心、そして快適な社会づくりであるスマートコミュニティの構築は、1社だけでは実現できませんので、住民の方や自治体はもちろん、さまざまな業界のみなさんと協力して取り組んでいきたいと考えます。

等:海外では定常的に停電が起こっている工場もあり、それが生産性の低下につながっている状況もあります。おそらく日本でスマートコミュニティの1つのモデルができたからといって、それをそのまま海外で当てはめられるとは思いません。ガスや電気の料金も違いますし、その国のエネルギー供給の安定度を踏まえ、そしてF-グリッドの結果を見定めながら、地域ごとに検討していきたいと考えています。

ACEJ専務理事の石井敏康氏
ACEJ専務理事の石井敏康氏

丸山:日本橋のプロジェクトがうまくいけば、他のエリアにも水平展開していくことを当初から想定していました。都市防災力の向上と環境負荷の低減の両立とともに、一定の採算性が見込めれば、コージェネを活用した特定電気事業のスキームをスマートコミュニティの標準メニューにし、今後の街づくりに取り組んでいこうと考えています。

 既に複数の再開発エリアで具体的な検討が進んでおり、これらを積極的に推進していきたいと考えています。

石井:非常に貴重なお話をありがとうございました。ACEJも、みなさんと密な意見交換をさせていただきながら、コージェネを核としたスマートコミュニティの実現に向けて一層、努力していきたいと思います。

 
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