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[特別講演会2025]概要 新時代におけるエネルギー政策の展開 潮流変化に対応しつつ脱炭素・経済成長・エネルギー安定供給を実現へ

[特別講演会2025]概要 新時代におけるエネルギー政策の展開 潮流変化に対応しつつ脱炭素・経済成長・エネルギー安定供給を実現へ
2025年9月10日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤 康
 

一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(コージェネ財団)は2025年7月10日、東京・イイノホールで「新時代におけるエネルギー政策の展開」をテーマに「特別講演会2025」を開催した。エネルギーを巡る世界の潮流が大きく変化しつつある中、日本はどのような戦略で脱炭素と経済成長、さらにエネルギー安定供給を実現するべきか。コージェネレーション(熱電併給)システムはどう活用し得るか。有識者や企業経営者らが講演やラウンドテーブルディスカッションで意見を交わした。

新自由主義から転換、環境・エネルギー政策にも変化

コージェネ財団 柏木孝夫 理事長
コージェネ財団 柏木孝夫 理事長

 今、世界は大きな変化の渦の中にある。米国の第2次トランプ政権は誕生直後に気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を決めた。続いて脱炭素関連産業の育成を目指しバイデン政権が成立させた「インフレ抑制法(IRA)」も、支援策の多くを廃止または見直した。脱炭素の取り組みを大きく後退させた形だ。

 ロシアのウクライナ侵略やイスラエルとパレスチナの戦闘がいまだ続く中、中東では、今年6月にイスラエルとイランが交戦し、また米国がイランを攻撃する事態が起きた。世界の原油・ガス輸送に使われるホルムズ海峡封鎖の危機も浮上するなど、情勢は一層緊迫化した。エネルギーを取り巻く状況は極めて不安定で混沌としている。

 「特別講演会2025」の開会に当たり、挨拶に立ったコージェネ財団の柏木孝夫理事長は、始めに「新時代におけるエネルギー政策の展開」というテーマについての認識を示した。

 環境問題の歴史をたどり、「米ソ冷戦が終わった頃から、グローバル化が進む中で避けて通れない課題として環境問題が浮上してきた。1988年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発足し、報告書で『人為的な活動による温室効果ガスの排出が地球温暖化の原因』と断言したことから、世界が温暖化対策への取り組みを始めた」と振り返った。

 一方、近年は各国の政治・経済の状況により、環境・エネルギー政策の方向性に変化が生じていることを説明した。「英国のサッチャー政権、米国のレーガン政権などを中心に、世界では『小さな政府』で規制を取り払い、市場原理に基づいた自由な競争を促すことで経済成長を目指す新自由主義が広がっていた。日本で言えば『聖域なき構造改革』を掲げた小泉純一郎政権がその代表だった。一方、現在米国のトランプ政権が進めているのは保護主義的な政策だ。中国は社会主義の政治体制の下、独自の資本主義を推進している。経済のベースとなる主義が転換したことで、環境政策やエネルギー政策、技術も変わりつつあるのが今という時代だ」。

 国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」には17項目ある。環境やエネルギーは目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と目標13「気候変動に具体的な対策を」が直接的に関係する。先進国での調査で、17項目のうち最も重要だと考える目標を聞くと、13番目の気候変動対策という結果になる。

 柏木理事長は「新時代にはいろいろな考え方が出てくる。目標7は英語で『Affordable and Clean Energy』と表現するが、まさにAffordable(手頃)という概念が極めて重要になっている。求められるのは“衡平性”。各国の状況や事情を考慮しながらバランスのとれた環境・エネルギー政策を推進し、CO2を削減する必要がある。難しい時代になってきたが、専門家や有識者の方たちの知見をいただきながら、進むべき道を探りたい。コージェネレーション(熱電併給)システム(以下、コージェネ)のさらなる成長・発展にもつなげたい」と語った。

 
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