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[コージェネシンポジウム2019レビュー2]基調講演 自治体・企業にとってのSDGs~特に地域エネルギー事業の観点から~ 統合的取り組みで“三方よし”のシステム構築を

[コージェネシンポジウム2019レビュー2]基調講演 自治体・企業にとってのSDGs~特に地域エネルギー事業の観点から~ 統合的取り組みで“三方よし”のシステム構築を
2019年3月13日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/川田雅宏
 

「コージェネシンポジウム2019」では一般財団法人建築環境・省エネルギー機構の村上周三理事長が基調講演を行った。テーマは「自治体・企業にとってのSDGs~特に地域エネルギー事業の観点から~」。SDGsの観点を踏まえ自治体や企業が地域エネルギー事業にどう取り組むべきかを論じた。経済・社会・環境の課題に統合的に取り組み、シナジー効果やコベネフィットに着目した上で“三方よし”の事業を立案・推進する必要性を訴えた。

SDGsは持続可能な社会構築のための開発目標

 「SDGs(持続可能な開発目標)」は持続可能な社会構築のための国際的枠組みとして国連が提唱し、世界が合意したものです。今日はSDGsの観点から、自治体・企業がどのように地域エネルギーシステムを構築すべきかをお話ししたいと思います。

 まず「SDGsとは何か」を簡単にご紹介します。2015年、「国連持続可能な開発サミット」で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。SDGsはその中核を成すもので、17のゴール、169のターゲット、約230のインディケーターを設けた3層構造になっています。「貧困」「飢餓」「健康」「教育」など17のゴールを示すカラフルなアイコンは色々な場面で利用されています。

村上 周三(むらかみ しゅうぞう) 氏
村上 周三(むらかみ しゅうぞう)氏
東京大学名誉教授/一般財団法人建築環境・省エネルギー機構理事長
1942年愛媛県生まれ。1985年東京大学生産技術研究所教授(~2001年)、1999年デンマーク工科大学客員教授(~99年)を経て、2001年慶應義塾大学理工学部教授(~2008年)に。2003年東京大学名誉教授に就任。2005年日本建築学会会長(~2007年)、2008年建築研究所理事長(~2012年)、2010年環境未来都市構想有識者検討委員会(内閣府)等座長、2015年新国立競技場整備事業の技術提案等審査委員会委員長、2018年自治体SDGs推進評価・調査検討会(内閣府)座長を務める。2003年より現職。

 SDGsは「誰ひとり取り残されない」という包摂性、先進国・途上国ともに適用可能な普遍性、経済・社会・環境を一体で考える統合性などの長所が指摘されます。高邁な理念に基づき、持続可能な社会を構築しようという格調高い提案であり、極めて意欲的、野心的な目標群です。

 ただ、SDGs自体は単に目標を並べたものに過ぎず、次の段階に進むための手順は示されていません。「理解が容易でない」「導入方法が分からない」といった批判はここから生じています。持続可能な社会構築に向けては、目標群を整理し、利用可能なシナリオをつくり出さなくてはなりません。それには公的・民間団体等がガイドラインを提供する必要があります。

 私が理事長を務める建築環境・省エネルギー機構は自治体が円滑にSDGsを導入できるよう、2018年3月に「私たちのまちにとってのSDGs」というガイドラインを発行しました。また今年1月、コージェネ財団より「コージェネレーションのSDGsへの貢献 参照ガイド」が、2月には日本建築センターより「建築産業にとってのSDGs」というガイドが発行されています。

 
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コージェネ財団は、SDGsの推進およびコージェネのSDGsに対する貢献の紹介を目的として、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構 理事長 村上周三氏を顧問に、東京農工大学教授 秋澤淳氏を主査とし会員企業より構成するワーキンググループを設立し、「コージェネレーションのSDGsへの貢献 参照ガイド」と「コージェネ提供価値アイコン」を作成、これを広くご利用いただけるようにいたしました。

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