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[コージェネ財団 特別講演会2014レビュー4]パネルディスカッション(前編) BCPやセキュリティを確保する コージェネの新たな価値

[コージェネ財団 特別講演会2014レビュー4]パネルディスカッション(前編) BCPやセキュリティを確保する コージェネの新たな価値
2014年10月1日(水)公開
取材・構成・文/中村実里 写真/加藤康
 

コージェネ財団主催による7月23日の特別講演会において、「2030年に向けたコージェネ普及拡大への展望」をテーマにパネルディスカッションが行われた。東京大学 大学院経済学研究科 教授の大橋弘氏、三菱重工業 エンジン事業部長の川井光彦氏、森ビル 環境推進室 担当課長の武田正浩氏、経済産業省 資源エネルギー庁 熱電併給推進室 室長補佐の日原正視氏の4人が登壇し、コージェネ財団 専務理事の土方教久氏がコーディネーターを務めた。様々な分野で高効率なエネルギーシステムの模索を進める有識者らが、2030年に向けたコージェネ普及拡大の鍵となる技術開発の見通しや、期待されるコージェネの新たな役割や付加価値などについて意見を交わした。

2030年を見据えコージェネ技術の開発を推進

土方 教久(ひじかた のりひさ)氏 コージェネ財団 専務理事
土方 教久(ひじかた のりひさ)氏
コージェネ財団 専務理事

土方教久氏(以下敬称略):コージェネレーション(熱電併給)システム(以下コージェネ)の設置容量は2014年3月末で、家庭用を除き、累計1000万kWを超えました。また、家庭用燃料電池「エネファーム」は、昨年度末で7万台余りまで普及。さらに今年度には10万台規模に達する見込みです。

 コージェネ財団では、一昨年にアドバンスト・コージェネレーション研究会(以下AC研究会)を立ち上げ、今後のコージェネ普及のロードマップなどを検討して、今年3月末に最終報告書を取りまとめました。

 この研究会で、コージェネの導入コストやメンテナンスコストの低減、燃料費の見通しなどの条件を勘案し、2030年の導入規模を試算したところ、現状の約3倍に当たる約3140万kWまで拡大し得るという推計結果を得ました。

 その2030年に向けたコージェネの将来展望や、技術開発の見通し、注目すべき付加価値などについて議論していきたいと思います。まず川井さんにうかがいたいのですが、今後のコージェネの技術開発の見通しについて教えてください。

川井 光彦(かわい みつひこ)氏 三菱重工業 機械・設備システムドメイン エンジン事業部 事業部長/エンジンSBU長
川井 光彦(かわい みつひこ)氏
三菱重工業 機械・設備システムドメイン エンジン事業部 事業部長/エンジンSBU長

川井光彦氏(以下敬称略):AC研究会の最終報告にあるロードマップには、2020年に5MWクラスの大型機で発電効率50%以上、1~2MWクラスの中型機で46%以上と明記されており、これが私どもの目標であると認識しています。しかし、この目標の達成は簡単ではありません。現行のプラットフォームの改良だけで実現できるレベルではないため、新しいプラットフォームに変えるかたちで開発を進めています。実際に2MW機についてはもう組み立ても終わり、9月には実証実験の目的で、私どもの自家発電所に1台を導入する予定です。

 熱の有効利用ということでは、エンジン冷却水温度を100℃超まで高める技術によって、温水排熱から蒸気を得ることで、電力と蒸気での総合効率を従来の63・6%から71・1%にまで改善しています。蒸気だけでなく、冷水の有効利用も含め、幅広く熱の活用を進めていきたいと考えています。

 燃料電池については、SOFC(固体酸化物形燃料電池)とマイクロガスタービンとの組み合わせによる200kW級の加圧型ハイブリッドシステムを実証しています。4100時間もの連続運転に耐えられ、かつ発電効率は55%を実現。来年度はお客様のところで実証を始めようとしています。また、日本特殊陶業と、SOFCの発電要素である円筒セルスタックの量産に向けて業務提携し、大幅なコストダウンにつなげていく取り組みを始めたところです。

 
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