東日本大震災以降、BCPの注目度は増し、軽油などの液体燃料を使うディーゼル発電機が飛ぶように売れ始めた。ビルなどの非常用電源としてである。
しかし、ガスエンジンコージェネには、ディーゼル発電機には負けない非常用電源としての優位性がある。第1に挙げられるのは、「ガス供給による運転の安定性と信頼性」と、鹿島建設建築設計本部の平岡雅哉・本部次長(設備設計担当)は話す。
ガスコージェネに都市ガスを供給するための導管は、大きな地震が発生したり、津波に襲われたりしても、基本的にガスの供給を途絶えさせないという要件を満たさなければならない。つまり、供給基地などに被害がなければガスは安定して供給され、電力会社からの商用電力の供給が途絶えても、ガスコージェネは自立型電源として発電を継続できるのである。今回、新たに導入されたガスコージェネには、商用電力が途絶えると即時に発電を開始できるBOS(ブラックアウトスタート)機能も搭載されている。

東京イースト21のエネルギー供給システムの構成。新たに導入したBOS対応の700kW高効率ガスコージェネによる電源多重化などでBCPを確保すると同時に、制御システムの高度化などで省エネ・低炭素化も実現する

排熱投入型吸収式冷凍機
さらに、年数回のメンテナンス時を除けば、常時稼働しているのもガスコージェネの特徴だ。もちろん、その排熱を地下にある排熱投入型吸収式冷凍機に送り込み、熱エネルギーは有効利用されるので、省エネにも貢献している。また、燃焼時に得られるエネルギー当たりの二酸化炭素の排出量は、他の化石燃料に比べて、天然ガスは少なくて済む。つまり、低炭素化にもつながるのである。
これに対し、軽油を使うディーゼル発電機などの場合、運転するのは災害発生時だけで、起動のためのマニュアルや訓練も必要となる。震災であれば、場合によっては余震が続く中で作業しなければならない。