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[コージェネ財団 特別講演会2017レビュー4]パネルディスカッション 地域活性化と分散型エネルギー(後編)

[コージェネ財団 特別講演会2017レビュー4]パネルディスカッション 地域活性化と分散型エネルギー(後編)
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2017年9月20日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

コージェネ財団の7月20日の特別講演会におけるパネルディスカッション「地域活性化と分散型エネルギー」の後編。パネリストの東邦ガスの佐野冬彦専務執行役員、JFEエンジニアリングの幡多輝彦取締役専務執行役員、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー新エネルギー部の茂木正政策課長、総務省地域力創造グループの村手聡地域政策課長、そしてコーディネーターのコージェネ財団の山﨑隆史専務理事が、全国各地で進む具体的な事例なども交えて議論を深め、これからの可能性について提言する。

自治体による電力供給事業の優良事例も誕生

山﨑隆史氏(以下敬称略):全国ではほかにも地域活性化に貢献する分散型エネルギーシステムの計画が進んでいることと思います。茂木さん、村手さん、幾つか事例を紹介していただけますか。

茂木 正(もぎ ただし) 氏
茂木 正(もぎ ただし) 氏
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課長

茂木正氏(以下敬称略):地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金で支援する事業の一つが「札幌市北4東6再開発におけるエネルギーの面的利用事業」です。高効率ガスコージェネの導入で排熱を最大利用すると同時に、太陽熱・地中熱ヒートポンプを活用し省エネを図ります。体育館、医療施設、福祉施設、住宅、商業施設など多様な施設と連携しながら最適な供給システムを構築しようとしています。2016年度に採択し、既に一部事業を開始しています。34%の省エネ効果を達成できる見込みです。

 長野県佐久総合病院はガスコージェネと蒸気ボイラー、バイオマスチップボイラーを組み合わせて熱電併給をしています。病院内の複数棟に対して効率的に電気と熱を供給。地元のチップを使う地産地消型のシステムです。省エネ率は26%を見込みます。

 日清食品滋賀新事業所のスマートエネルギー推進事業では15MWのガスタービンコージェネと排熱ボイラーを導入する予定です。汚泥脱水機に排熱ボイラーから出た熱を供給し、全体の省エネ性を高めます。この事業の特徴は設備がリースであること。リース料を支払いながらエネルギーサービスを受けます。稼働の開始予定は2018年9月。省エネ20・1%を目指します。

村手 聡(むらて さとし) 氏
村手 聡(むらて さとし) 氏
総務省 地域力創造グループ 地域政策課長

村手聡氏(以下敬称略):総務省が進める分散型エネルギーインフラプロジェクトで既にエネルギー供給事業を開始しているのが鳥取県米子市のプランです。これは、廃棄物発電、太陽光発電を行うとともに、将来的には、コージェネ設備を設置し、皆生温泉の温泉旅館、ホテル、公共施設等に熱供給をしようとするものです。2015年12月、米子市、中海テレビなど地元企業数社の共同出資でエネルギー会社のローカルエネジーを設立。2016年4月に電力の小売卸売事業を開始しました。既存の電力会社より安く電力を供給し、市民にその効果を還元することもできています。初年度から当初の売り上げ目標を大幅に上回る黒字を達成しました。自治体が主導する分散型エネルギーインフラプロジェクトの優良事例になると思います。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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