コージェネ財団は2月9日、東京・イイノホールで「コージェネシンポジウム2017」を開催した。6回目となる今回のテーマは「エネルギー大変革期におけるコージェネレーション」。各分野の有識者らが講演やパネルディスカッションで、それぞれの意見を示した。

柏木孝夫コージェネ財団理事長
エネルギー市場は今、大きな変革期を迎えつつある。開会挨拶に登壇した柏木孝夫コージェネ財団理事長は「アメリカファースト」を掲げ誕生した米国のトランプ新政権に注目。市場に経済原理を導入しつつ、シェールオイル、シェールガスに代表される自国のエネルギーの有効活用とそのためのインフラ開発で経済を活性化しようという動きがエネルギー市場に与える影響の大きさを指摘した。
一方、電力・ガスの全面自由化によるエネルギーシステム改革が進む日本について、柏木理事長は「IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ビッグデータ処理などの先進技術が進展し、デマンドサイドのデジタル革命が浸透しつつある時代にエネルギー自由化を果たす初めての国。新たなビジネスモデルを生み出し経済成長へとつなげるチャンスは大きい」と強調した。
自由化によって大規模電源から分散型電源へのシフトも進む。柏木理事長は「自然エネルギーを取り込み、電気や熱を面的に融通した高効率なエネルギー需給構造をつくる上でコージェネは要のシステム。エネルギー市場変革のトリガーとなる」とその重要性を示した。

経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部の吉川徹志 政策課長 兼 熱電併給推進室長
来賓として挨拶した経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部熱電併給推進室の吉川徹室長は東日本大震災以降の政府のエネルギー政策の概要を説明した。2015年7月に決定した「長期エネルギー需給見通し」の中でコージェネは2030年に1190億kWh程度の導入という数値目標が盛り込まれており、「各種補助金を用意してコージェネ普及を後押ししている」ことを示した。補助金の対象となった事例としてエリア内の中央体育館、病院、共同住宅で熱と電気を融通し、34%の省エネを実現した札幌市のケース、自営線と熱導管を敷設し3社7事業所に熱と電気を供給し、17%の省エネを実現した栃木県の工業団地のケースを紹介した。
昨年11月に発効したパリ協定で日本は2030年に2013年比26%の温室効果ガス削減が求められている。吉川室長は省エネを徹底し、低炭素社会を構築する上でもコージェネの意義は大きいと説明。「今後も引き続き普及を支援していきたい」と宣言した。