2013年度の「産業用部門」の「理事長賞」はF-グリッド宮城・大衡有限責任事業組合の「工業用団地における『F-グリッド』を核としたスマートコミュニティ事業(宮城県黒川郡大衡村)」が受賞した。
■産業用部門
|
|
案件
|
申請者
|
|
理事長賞
|
工業団地における「F-グリッド」を核とした
スマートコミュニティ事業
(宮城県黒川郡大衡村)
|
F-グリッド宮城・
大衡有限責任事業組合 |
|
優秀賞
|
ガスコージェネレーションを中心とした
電気・蒸気の多重化による
総合ユーティリティサービス
(熊本県菊池郡)
|
富士フイルム九州
新日鉄住金エンジニアリング
|
高効率ガスエンジンコージェネ+吸着式冷凍機に
よる電源セキュリティの向上&
革新的省エネルギーシステムの構築
(大阪府柏原市)
|
ジェイテクト
クリエイティブテクノソリューション
|
蒸気駆動システム導入等による
高効率コージェネレーション
(埼玉県羽生市)
|
曙ブレーキ工業
|
消化ガス燃料電池によるコージェネレーション
(山形県山形市)
|
山形市上下水道部
|
|
選考会議特別賞
|
既存ガスエンジンコージェネのオーバーホール
を含めたエネルギーサービスへの移行
(大阪府大阪市)
|
牛乳石鹸共進社
大阪ガス
|
トヨタ自動車が、グループ会社であるトヨタ自動車東日本の工場がある宮城県大衡村の工業団地を舞台に進めるプロジェクトで、F-グリッド宮城・大衡有限責任事業組合にはトヨタ自動車関連の企業のほか、東北電力や仙台市ガス局、工業団地内の企業などが参画する。エネルギーの利用スタイルが異なる複数の工場や農業を統括し、電気や熱の需給を最適化することで、全体のエネルギー利用効率を高める仕組みを構築するものだ。
前編で紹介した「民生用部門」の受賞案件は、東日本大震災をきっかけにコージェネの低炭素性、防災性に光を当てるものが中心だった。「F-グリッド」の取り組みも、きっかけは震災だ。震災によって生産が停止した教訓を踏まえ、ものづくりを支えるインフラを強化しつつ、地域の活性化も目指す。
工業団地には、トヨタ自動車東日本の自動車組み立て工場や、部品を提供するサプライヤー、すかいらーくの食品工場、農業生産法人による植物工場などがある。ガスコージェネシステムや各工場の屋根に設置した太陽光発電システムで発電。トヨタ自動車などが特定供給事業者として認可を受け設置した自営線を使って工業団地内の事業者などへ電力を供給する。電力需要が少ない時間帯には、リチウムイオン電池やプラグインハイブリッド車(PHV)に充電する仕組みも備える。
災害などで商用電力が停電した際にも工業団地内に電力を供給。電力会社にも電力を販売し、防災拠点となる村役場とその周辺地域へ配電する。工業団地で所有する8台のPHVが、移動式の電源として必要な場所へ出向き、電力を供給する構想も描いている。
「コージェネ大賞」選考会議委員長で、東京大学名誉教授、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)上席フェローを務める笠木伸英氏は、「一つひとつの機器や要素技術が特別に新しいものばかりではないが、それらを組み合わせたシステムや地域全体で最適化して使おうとしている。組合方式での取り組みも含め、低炭素化マネジメントの実例として先進性が高い案件」と評価する。