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[コージェネ財団 特別講演会2016レビュー4] パネルディスカッション 新たなビジネス展開とコージェネへの期待(前編)

[コージェネ財団 特別講演会2016レビュー4] パネルディスカッション 新たなビジネス展開とコージェネへの期待(前編)
2016年9月7日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

コージェネ財団が7月21日に開催した特別講演会で、「新たなビジネス展開とコージェネへの期待」をテーマとするパネルディスカッションが開かれた。パネリストは三菱地所開発推進部の井上俊幸部長、日立製作所産業・流通ビジネスユニット産業ソリューション事業部産業ユーティリティソリューション本部の古賀裕司本部長、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課の片山弘士課長補佐の3人。コージェネ財団の土方教久専務理事がコーディネーターとなって、コージェネレーション(熱電併給)システムを活用しながらいかに新ビジネスを生み出すべきかについて議論した。

エネルギー政策の節目となった2015年

土方教久氏(以下敬称略):日本のエネルギーシステム改革が本格化してきました。エネルギー効率が高く、オンサイトで発電できるコージェネレーション(熱電併給)システムは今までにも増して大きな期待を集めています。片山さん、改めて政府のエネルギー政策において、コージェネがどのような位置づけに置かれているかを説明していただけますか。

片山 弘士(かたやま ひろし) 氏
片山 弘士(かたやま ひろし) 氏
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部
新エネルギーシステム課/水素・燃料電池戦略室 課長補佐(総括)

片山弘士氏(以下敬称略):コージェネは政府が策定した「エネルギー革新戦略」の柱の一つである「新たなエネルギーシステムの構築」を実現するための重要な要素ととらえています。

 東日本大震災後、化石燃料への依存度が高まり、電気料金が高騰し、二酸化炭素(CO2)排出量が増加するなど、日本のエネルギー環境は激変しました。エネルギー政策にも大転換が求められる中、「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」が決まり、システム関連法案が成立し、さらには国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で2030年に温室効果ガス排出量を2013年比26%削減するという目標が決まった2015年は、日本が進むべき方向性を定める節目の年になったといえます。

 将来像として描いたエネルギーミックスやCO2削減を実現するための取り組みが「エネルギー革新戦略」です。この戦略の中に明確に位置づけられたコージェネが日本のエネルギー政策において非常に重要な存在になっていることは間違いありません。

土方:これからの時代に新たに構築されるエネルギーシステムにおいて、コージェネがどのような役割を果たすことを期待していますか。

片山:分散型エネルギーシステムの要として普及・活用が進んでほしいと思っています。分散型エネルギーというと真っ先に太陽光発電や風力発電が思い浮かびますが、これらは不安定な電源です。現在のところ、分散型で安定な電源といったらコージェネしかありません。しかもコージェネは一次エネルギー削減効果が大きいというメリットもあります。コージェネが生み出す熱を使い切り、エネルギー効率が高く低炭素という特徴を最大限に発揮できるシステムが構築されることを望んでいます。

 また、2017年には固体酸化物型燃料電池(SOFC)の市場導入が予定されています。SOFCは発電効率が50%超と高いことなどが特徴です。省エネ法の適用対象外である年間エネルギー使用量1500kL未満の中小事業者にリーチできれば、低炭素社会を実現する上で非常に効果が高いと期待しています。

 
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

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