スペシャルリポート

[コージェネ財団 特別講演会2016レビュー1]概要報告 本格化したエネルギーシステム改革「分散型電源の要」、コージェネへの期待高まる

[コージェネ財団 特別講演会2016レビュー1]概要報告 本格化したエネルギーシステム改革「分散型電源の要」、コージェネへの期待高まる
2016年8月3日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康
 

2016年7月21日、コージェネ財団は東京・イイノホールで「新時代のエネルギービジネスとコージェネレーション」と題した特別講演会を開催した。エネルギーシステム改革が本格化し、また温室効果ガス排出量の大幅削減が求められる環境にあって、コージェネレーション(熱電併給)システムへの期待は今まで以上に大きくなっている。いかにコージェネの普及・活用を進めつつ新ビジネスを生み出すか。その課題は何か。有識者、実務者らが鼎談やパネルディスカッションで議論・提言した。

コージェネ機器の稼働率を高める取り組みも重要に

 コージェネ財団は2016年7月21日、東京・イイノホールにおいて「新時代のエネルギービジネスとコージェネレーション」と題した特別講演会を開催した。

 今年4月、国内の電力小売りは全面自由化された。来年4月には都市ガスの小売り全面自由化も控える。日本のエネルギーシステムは今、大きく変貌を遂げる最中にある。また、2015年、フランス・パリで開かれた気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では「パリ協定」が採択され、日本は2030年の温室効果ガス排出量を2013年比で26%削減するという厳しい国際公約を負った。

柏木孝夫コージェネ財団理事長
柏木孝夫コージェネ財団理事長

 こうした環境の中、排熱も有効利用できるため総合エネルギー効率が高く、オンサイトで発電できるコージェネレーション(熱電併給)システムに対しては、BCP(事業継続計画)やレジリエンス(防災・減災による国土強靱化)、二酸化炭素(CO2)排出量削減などに貢献することから、以前にも増して熱い視線が注がれている。

 特別講演会の開会に当たり、柏木孝夫コージェネ財団理事長は「経済産業省が昨年7月に策定した『長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)』では2030年にコージェネで1190億kWhの導入を目指すという目標が掲げられている。電力全体の約12%に当たる目標数値が示されたというのは我々コージェネにかかわる者にとっては極めて画期的なこと。新時代にコージェネが果たす役割は大きい。既にガス会社、電力会社を始め、様々な業界の企業がコージェネに大きなビジネスチャンスを見出している。これからの動きに大いに期待を寄せている」と現状を語った。

経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課の吉川徹志課長
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 政策課の吉川徹志課長

 来賓挨拶に立った経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部政策課の𠮷川徹志課長は「1190億kWhという数値は簡単に達成できるものではない。ガス価格低下を追い風に、機器のコストを下げる努力を講じて需要を拡大することが大事。これからは2000年代に大量導入されたコージェネ機器がリプレースされる時期であり、その需要を確実につかみつつ、新規需要を開拓していかなくてはならない」と説いた。またコージェネ機器の設備容量を増やすだけでなく、稼働率を高める取り組みも欠かせないとして「地域で生産したエネルギーを地域で消費する地産地消型のエネルギーシステム構築や、発電機器を設置しエネルギー需要に合わせて最適運転を行う総合エネルギーサービスを取り入れたプロジェクトを補助金制度などで支援していく」と政策の方向性を示した。

 
前ページ前ページ 12 次ページ次ページ
 
スペシャルリポート 記事一覧
 
 
 
News & Topics

経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が取りまとめた「第5次エネルギー基本計画(案)」が公開され、当財団としてパブリックコメントを提出いたしました。その結果および「第5次エネルギー基本計画におけるコージェネの位置づけ」について、資料を取りまとめております。

詳細はこちら詳細はこちら

一般財団法人
コージェネレーション・
エネルギー高度利用センター

〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-4
アーバン虎ノ門ビル4階
TEL. 03-3500-1612
FAX 03-3500-1613