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[コージェネシンポジウム2019レビュー4]鼎談 スマートエネルギー社会と持続可能な街づくり コージェネ組み込み 脱炭素・強靱化を実現へ

[コージェネシンポジウム2019レビュー4]鼎談 スマートエネルギー社会と持続可能な街づくり コージェネ組み込み 脱炭素・強靱化を実現へ
2019年3月27日(水)公開
取材・構成・文/小林佳代 写真/川田雅宏
 

「コージェネシンポジウム2019」では「スマートエネルギー社会と持続可能な街づくり」と題した鼎談が行われた。ゲストは鹿島建設の押味至一代表取締役社長と日立製作所理事でサステナビリティ推進本部の荒木由季子本部長。コーディネーターを柏木孝夫コージェネ財団理事長が務めた。コージェネレーション(熱電併給)システムを組み込み、デジタル化に対応しながら脱炭素・強靱化を実現するスマートコミュニティの構築について議論が繰り広げられた。

「パリ協定」発効で加速する脱炭素の取り組み

柏木孝夫氏(以下敬称略):地球温暖化防止のための国際的枠組み「パリ協定」の発効を受け、我が国は2050年までに温室効果ガスを2013年比で80%削減する長期目標を掲げています。日本を代表するスーパーゼネコンである鹿島建設は、脱炭素に向けどのような取り組みを進めていますか。

押味 至一(おしみ・よしかず)氏
押味 至一(おしみ・よしかず)氏
鹿島建設代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。74年3月東京工業大学工学部建築学科卒業、同年4月鹿島建設入社。92年6月アクトシティJV 工事事務所工事課長、94年12月三井不動産大森本町マンション新築工事事務所長、99年9月ヨコハマポートサイドF-1街区第一種市街地再開発事業建設JV 工事事務所長を経て2003年12月横浜支店次長に。05年6月執行役員横浜支店長に就任。08年4月常務執行役員横浜支店長、09年4月常務執行役員建築管理本部長、10年4月専務執行役員建築管理本部長、13年4月専務執行役員関西支店長、15年4月副社長執行役員を歴任。15年6月より現職。

押味至一氏(以下敬称略):鹿島は中長期の環境ビジョンとして「トリプルZero2050」を打ち出しています。自社活動と提供する構造物からの二酸化炭素(CO2)をゼロにする「Zero Carbon」、資源の循環利用と建造物の長寿命化によって廃棄物をゼロとする「Zero Waste」、自然・生物への影響抑制と新たな生物多様性創出によってインパクトをゼロとする「Zero Impact」という3つのゼロを2050年に達成することを目指しています。

 このビジョンに沿って、建設事業、不動産開発事業において、少ないエネルギーでの生産を進め、デベロッパーやエネルギー事業者とともにスマートエネルギーシステムの構築を基本とする街づくりに取り組んでいます。

 一方で、それだけではトリプルゼロ、中でもカーボンゼロの実現は困難だと感じています。ゼネコンはエネルギーを使って仕事をする業態。その中でカーボンゼロを達成するには、活動の源であるエネルギーの開発そのものへの挑戦が必要です。

 市街地の高層建築を手掛けてきた経験を生かし、エネルギー事業者と共同で風力発電に取り組むほか、愛知県豊橋市では生ゴミやし尿、下水汚泥の再資源化によるバイオマス事業に、北海道鹿追町では家畜の糞尿を受け入れ生成したメタンガスを利用する水素サプライチェーンの実証事業に参画しています。両立は容易ではありませんが、企業の使命と受け止め、社会に貢献できるよう精一杯取り組んでいます。

柏木:スーパーゼネコンである鹿島が自ら再生可能エネルギー事業を手掛ける。大変画期的なことですね。

押味:エネルギー開発にまで乗り出さなくては、目標はどうしてもクリアできないという勘定です。CO2を発生しない水力発電で電気をまかなえるよう、ダムを1つつくりたいぐらいです。自分たちで直接的にエネルギーシステムを施工するというだけでなく、エネルギー会社が挑戦する自然エネルギー開発に技術的支援を行い、投資する形も想定しています。

 
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