
柏木孝夫コージェネ財団理事長
昨年4月、エネルギー基本計画が閣議決定されたのを受け、エネルギー政策の議論は、電源構成を策定するベストミックスへと移行した。一方で、エネルギー分野を日本の成長戦略の柱の一つと捉え、国力を増大させる新しいビジネスモデルの創発を促すために、エネルギーシステムの規制改革も進められている。すでに2016年4月から電力小売りの全面自由化が予定され、ガス小売りの全面自由化についても2017年の開始を目指して、国会へ法案が提出される見込み。その中で、エネルギーの効率利用や安定供給を実現するソリューションとして、発電と排熱利用を同時に行うコージェネレーション(熱電併給)システムに対し、大きな期待が寄せられている。
コージェネ財団は2015年2月5日、東京・イイノホールにおいて「コージェネシンポジウム2015」を開催。「エネルギーシステム改革で拡がるコージェネ市場の展望」と題し、官民学の有識者や実務家らによる講演やパネルディスカッションが行われた。

経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 熱電併給推進室の戸邉千広室長
開会挨拶で、柏木孝夫コージェネ財団理事長は、「エネルギーの小売り自由化によって市場原理による経済性が求められる。電力小売り全面自由化では、これまでの大規模集中型電源は減少し、それに取って代わるように、コージェネのような高効率の分散型電源の導入が加速する」と展望。その上で、「再生可能エネルギーを補完し、その普及を促進するコージェネを、より効果的に稼働させるためには、排熱パイプラインの構築など、熱を含むエネルギー関連の公共事業を膨らませていくことが極めて重要」と強調した。
これを受け、来賓として挨拶した経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 熱電併給推進室の戸邉千広室長は、「例えば、電力では送配電ネットワーク、ガスではパイプラインネットワークを、できるだけ中立化して誰でも一定の料金を払えば自由に使えるように、エネルギーの世界を今までの一貫体制から大きく転換していく。と同時に、ネットワークの規制もしっかりと行っていく」という国の方針を説明。その狙いとして、「電気、ガス、熱といった市場ごとの垣根を撤廃することで技術革新や異業種参入を進める。こうした制度改革を起爆剤として各エネルギーの融合化、ボーダレス化を進展させ、新たなサービスを行う総合エネルギー企業の創出に、そこで要となるコージェネに期待している」と述べた。