
コージェネ財団 理事長 柏木孝夫
ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、イスラエル・ハマス紛争が勃発するなど、国際エネルギー情勢は混迷を深めている。
エネルギーセキュリティーへの注目度が高まる中、日本では2024年元日に能登半島地震が発生した。最大震度7を記録する大きな揺れにより、エネルギーインフラは甚大な被害を受けた。発生から1カ月、復旧は進みつつあるものの、一部でまだ停電が続く地域もある。
「コージェネシンポジウム2024」の冒頭、開会挨拶に立った柏木孝夫コージェネ財団理事長は、「能登半島地震は強靱化に資するエネルギーシステムはどうあるべきかを、改めて深く考えさせる震災となった」と切り出した。
エネルギーの分野では今、カーボンニュートラルとエネルギーセキュリティーの2つを主題に語られることが多い。特にカーボンニュートラルに目が向きがちだが、インフラを伴うエネルギーシステムの改革は急には進まない。長期戦で取り組むことが必要である。
一方、エネルギーセキュリティーはこの瞬間にも達成すべきものだ。電気であれば同時同量を実現し、燃料であれば常に備蓄し、使える状況を保つことが求められる。
こうした時間軸の違いを念頭に置きながら、カーボンニュートラルとエネルギーセキュリティーの両立に向けてトランジションを図る必要がある。
柏木理事長は「強靱なエネルギーシステムを構築するには、大規模型電源のほかに、デマンドサイドに一定規模の分散型電源が入ることが不可欠。互いに良いところを活用しながら共存し、Win-Winになるようなシステムを築くことが求められる」と説明した。
デマンドサイドには多様なエネルギーシステムが入り、まさに百花繚乱の様相を帯びている。その中で、柏木理事長はコージェネレーション(熱電併給)システムについて、「家庭用燃料電池『エネファーム』から産業用のガスタービンコージェネまで、幅広い製品群がある。電気・熱を生み出し、面的利用や地産地消を可能にする。環境性の面でも強靱性の面でも有効性が高い」と強調し、その役割を全うすることの重要性を指摘した。