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[コージェネシンポジウム2015レビュー3]パネルディスカッション スマートコミュニティが創る地域の未来

[コージェネシンポジウム2015レビュー3]パネルディスカッション スマートコミュニティが創る地域の未来
2015年3月18日(水)公開
取材・文/小林佳代 写真/加藤康
 

コージェネ財団が2月5日に開催した「コージェネシンポジウム2015」で、「スマートコミュニティが創る地域の未来」と題したパネルディスカッションに、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の伊藤明子次長、竹中工務店スマートコミュニティ推進室の児玉正孝室長、東京ガスの救仁郷豊 代表取締役副社長執行役員がパネリストとして登壇。コージェネ財団の柏木孝夫理事長がコーディネーターを務め、地方創生に向け、コージェネレーション(熱電併給)システムを核としたスマートコミュニティが果たすべき役割について議論した。

地方創生の思想はスマコミの方向性と重なる

柏木孝夫氏(以下敬称略): 現在、安倍内閣が最重要課題として掲げているのが「地方創生」です。人口急減、超高齢化、東京一極集中などの問題が深刻化する中、各地域はそれぞれの特徴を生かした自立的で持続的な社会を創生していくことが求められています。

 エネルギーの視点から言うと、太陽光発電やコージェネレーション(熱電併給)システムなど分散型電源を取り込んだスマートコミュニティ(スマコミ)の構築は、仕事を生み出し、若い人を集め、地域を活性化する上で非常に良い手段になるのではないかと思っています。

 2014年9月に内閣に発足した「まち・ひと・しごと創生本部」で地方創生問題に取り組む伊藤さんはどのようにお考えですか。

伊藤 明子(いとう あきこ)氏
伊藤 明子(いとう あきこ)氏
内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長
京都大学工学部卒。1984年、建設省入省。宝塚市役所、住宅局、都市局、内閣官房都市再生本部事務局を経て2010年、国土交通省住宅局住宅総合整備課長。12年、住宅局住宅生産課長。14年より内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長に就任。内閣府地方創生推進室次長を併任する。

伊藤明子氏(以下敬称略): おっしゃる通り、地方に新しい仕事と人の流れをつくろうという地方創生の思想は、スマコミと重なる面が多々あります。

 人口減少社会を持続発展可能な方向へと転換するためのまちのあり様を考えていくと、人口や産業を集積し利便性、生産性を向上できるような「コンパクト化」と、周辺と連携した「ネットワーク化」というキーワードが浮かびます。その上で、地域資源を活用した循環型地域社会を作り上げることが求められます。

 政府は昨年末、将来の人口展望を示す「長期ビジョン」と、それを基に地方の人口減少に歯止めをかけるための「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定しました。さらに各自治体に対し、2015年度中にもまち・ひと・しごと創生に関する目標や施策の基本的方向を示す「地方版総合戦略」を策定してもらおうと動いています。この1月には地域活性化の取り組みを具体的に定める「地域再生計画」の認定も始めました。対象の計画には新たに創設する「地域再生戦略交付金」を活用して支援します。

 第1弾の認定20件の中には、地元の森林資源やコージェネを活用したエネルギー自給システムの構築により、地域産業の活性化と高齢化対応に取り組む北海道下川町の計画なども含まれています。地方創生とスマコミとは同じ方向性にあると言えます。

柏木: これから多くの自治体が地方版総合戦略を策定し、それに基づく地域再生計画を進めていくことになるのですね。

 児玉さんはスーパーゼネコンとして多くのまちづくりやスマコミ構築に関わってきたと思いますが、最近ではどんな例がありますか。

児玉 正孝(こだま まさたか)氏
児玉 正孝(こだま まさたか)氏
竹中工務店スマートコミュニティ推進室長
1979年、東京大学工学部都市工学科卒業。同年、竹中工務店入社。80年、開発計画本部(東京)配属。2002年、開発事業本部事業部長(東日本担当)。05年、プロジェクト推進本部本部長。12年、役員補佐。14年より役員補佐 スマートコミュニティ推進室長に就任。

児玉正孝氏(以下敬称略): 官民連携のプロジェクトとして、2015年4月に開設し、6000人の学生が通うことになる立命館大学大阪いばらきキャンパスは、注目すべき事例だと思います。

 立命館大学は、地域に開かれたキャンパス、まちと調和したキャンパスを目指し、大阪いばらきキャンパスをつくりました。

 キャンパス内の「市街地整備ゾーン」には茨木市と協力し、市民も利用できるホール、図書館、産学共同の研究室などを設置しています。イオンリテールとは防災面での連携も実現。JRの線路を挟んでキャンパス西側に隣接するイオン茨木店のコージェネと立命館のコージェネを生かし、非常時における電力の相互バックアップの仕組みを構築しました。災害時に併設整備される茨木市の防災公園に電力供給できる体制も整えています。

 キャンパス内の電力、ガス、水の供給はエネルギーサービス事業者を介する形で行っています。これらの整備費用をエネルギーサービス料に含める形とすることで初期投資を抑えました。

 プロジェクトを先導したのは立命館大学ですが、我々も様々な提案をし、ディスカッションしながら企画を練り上げました。線路下を横断する水路を、非常時電力ルートとして使えるように茨木市の協力を得ながら計画するなど、官民一体で前向きにプロジェクトを進めてきました。

 
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