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[コージェネ財団特別講演会2019レビュー3]パネルディスカッション グリーン化・クリーン化する分散型エネルギーシステム

[コージェネ財団特別講演会2019レビュー3]パネルディスカッション グリーン化・クリーン化する分散型エネルギーシステム
2019年9月25日(水)公開
構成・文/小林佳代 写真/加藤 康
 

特別講演会では「エネルギーシステムの新潮流」と題したパネルディスカッションが行われた。パネリストとして環境省の川又孝太郎大臣官房環境計画課長、丸の内熱供給の佐々木邦治代表取締役専務執行役員、北海道ガスの前谷浩樹取締役常務執行役員、川崎重工業の村上直樹執行役員エネルギー・環境プラントカンパニー エネルギーシステム総括部長が登壇。分散型エネルギーシステムの先行事例や脱炭素化に向けた今後の取り組みについて語り合った。司会進行はコージェネ財団の山﨑隆史が務めた。

めざすべきは「地域循環共生圏」 分散型エネルギーシステムが核に

山﨑隆史氏(以下敬称略):「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」に盛り込まれた「脱炭素社会」の実現に向け、これからわが国は再生可能エネルギーや未利用エネルギーを取り込んだ分散型エネルギーシステムを構築することが求められます。

 このパネルディスカッションでは、全国で導入が進んでいるコージェネレーション(熱電併給)システムの先行事例などを紹介しながら、めざすべき分散型エネルギーシステムのあり方について意見交換していきたいと思います。

 はじめにお一人ずつ、それぞれの取り組みについてお話をいただきます。

川又 孝太郎 氏(かわまた こうたろう) 環境省 大臣官房環境計画課長
川又 孝太郎 氏(かわまた こうたろう)
環境省 大臣官房環境計画課長

川又孝太郎氏(以下敬称略):分散型エネルギーシステムと深くかかわる構想として、政府が「第五次環境基本計画」の中で提唱する「地域循環共生圏」についてお話しします。

 地域循環共生圏はこれからの日本がめざすべき社会像と位置づけた構想です。各地域が、自らの地域資源を最大限に活用しながら自立・分散型の社会を形成し、また地域の特性に応じて近隣地域と資源を補完し支え合う関係性の構築をめざしています。

 例えば、農山漁村は食料、水、木材、自然エネルギーなど自然資源や生態系サービスが豊富にあります。一方、都市にはそれらは十分になく、農山漁村からそのサービスを受け、エコツーリズム、自然保全活動への参加といった形で資金・人材を農山漁村に提供する立場にあります。資金不足、人材不足に陥りがちな農山漁村はそれらを得ることで、また自然資源や生態系サービスを都市に供給できます。両者がこうした補完的な関係性を強めることで、環境・経済・社会を統合的に向上することができると考えています。

 地域循環共生圏の核となるのが自立・分散型のエネルギーシステムです。現在、わが国は使用する化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っています。その金額は年間28兆円。人口5万人規模の自治体ならば年間100億円のお金が地域の外に逃げ出している計算です。その一部でも地域内の資源である再生可能エネルギーで代替できれば地域経済は潤います。

 
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